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<参院選東北>1票の格差 容認論も

 10日投開票の参院選で、宮城選挙区は改選数が2から1に減り、議員1人当たりの有権者数が全国で3番目に多い選挙区となった。一方で秋田、山形両選挙区の有権者数はともに宮城の半分以下。議論次第では次回以降の合区が現実味を帯びる。人口の減少と偏在が進む中、「1票の格差」是正と地域の代表を選ぶ権利はどう折り合えるのか。有権者からは参院の在り方の根本的な見直しを求める声が上がる。

 東北各県の参院選の改選数は、前回から福島も2が1に減り、6県全て1となった。公示前日の6月21日現在、宮城の有権者は195万3813人で、議員1人当たりの数は埼玉、新潟に続き多い。最少の福井と比べると1票の格差は2.96倍に達した。東北でも秋田とは2.17倍、山形とは2.04倍の開きがある。

<遠い距離感>
 ぐんと減った宮城の1票の価値について、宮城県南三陸町議会議長の星喜美男さん(66)は「2人を選べる人口がないから仕方がない」と理解を示す。
 寛容な姿勢の背景には参院議員との距離感の遠さもある。「普段から交流が深いのは地元選出の衆院議員。参院議員の姿は見えにくい」と明かす。
 ただ、星さんも「鳥取・島根」「徳島・高知」両選挙区(改選数各1)で今回導入された合区には強く反対する。「各県最低1人は改選数を確保すべきだ。そのためなら宮城の票が軽くなってもいい」と語る。

<過疎加速も>
 「1票の価値が地域で異なるのはおかしいとの意見はもっとも。しかし…」。山形県大石田町商工会商業部会長の戸田昇さん(48)は、人口だけを基準に議員の数を考えることに割り切れない表情を浮かべる。
 人口減で以前は考えられなかった事態が起きている。企業は支店を次々に撤退させ、学校の統合も進む。
 「だからと言って選挙区も統合していい訳がない。田舎の民意を背負う代表も必要。他県と合区になれば、県民は国に切り捨てられたと思う。過疎が加速する要因になりかねない」と訴える。
 元横手市長の五十嵐忠悦さん(68)は「参院を衆院と明らかに違う形にしたらいい」と国会改革を提案する。票の平等は衆院に適用し、参院は権限を地方振興や教育などに限定した上で1票の格差を容認するというアイデアだ。
 国土の発展に格差があったから人口の格差、票の格差が生まれたとの思いがある。「均衡ある国土の存立基盤をつくるために票の格差を認める考え方があっていい。どの地域も見捨てないという参院の決意になる」と語る。


2016年07月10日日曜日


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