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<参院選岩手>木戸口氏 小沢地盤で突き放す

 野党統一候補の無所属新人木戸口英司氏(52)が、自民党新人の田中真一氏(49)を7万5000票差で突き放した。小沢一郎生活の党代表(衆院4区)の支持基盤に野党共闘の厚みが加わり、終始優位を保った。自民党はアベノミクスばかりを強調し、東日本大震災からの復興途上にある岩手の有権者意識との隔たりが際立った。安倍政権への明確な不信任と言える。
 木戸口氏は秘書を務めた小沢氏、達増拓也知事の全面支援を受けた。小沢後援会が集票の軸となり、地盤の奥州、北上、花巻各市は盤石。衆院4区の得票は約10万で田中氏に4万4000票の大差をつけた。
 達増氏が追撃を加え、地盤の盛岡市で7万5000票を獲得。田中氏を2万3000票上回った。
 野党共闘も回転した。4党は公示前から週1度の実務者会議を欠かさず、情勢分析を共有。民進党内には民主党を割った小沢氏への確執は根強かったが、互いに出せる範囲の手の内を明かし、態勢を融合させた。
 一方で「小沢地盤」には弱体化の兆しも見えた。県内の生活の比例得票は4万3000にとどまり、2013年参院選と比べ5万8000も減らした。政党としての存在感が岩手でも低下していることは鮮明だ。
 自民党の田中氏は爆発力に欠けたものの、落選した13年参院選と比べ得票を9万1000伸ばした。「脱小沢政治」を強調したことや旧敵の平野達男参院議員(岩手選挙区)が支援に回ったことなどが要因だ。
 ただ、応援に入った安倍晋三首相らは経済政策など聞こえのいい言葉を繰り返し、憲法改正や消費税増税延期の是非に触れることは少なかった。有権者は巧妙な争点ずらしを見抜いた。
 次期衆院選は政権選択が懸かる。野党共闘は奏功したが、主張の違う重要政策の整合性は置き去りにされた。明快な一致点が必要だ。自民党は首相の言葉をコピーしたような主張ではなく、岩手の実情を熟慮した政策提示が求められる。
 岩手の政治潮流は小沢氏を軸とした離合集散の歴史を経て、過渡期にある。与野党共に見据えるのは「小沢後」である。(盛岡総局・横山勲)


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2016年07月12日火曜日


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