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<参院選秋田>石井氏 24市町村を制す

 自民党現職の石井浩郎氏(52)が、民進党元議員の松浦大悟氏(46)に5万3000票差をつけて再選された。東北で自民が惨敗する中で唯一、全国的な与党圧勝の潮流に乗った。党県連は県選出の衆参議席独占を維持した。
 石井氏は序盤、野党共闘で臨んだ松浦氏と競り合いを強いられた。党本部は終盤、閣僚級を連日投入するなど徹底した組織戦を展開。運動量は尻上がりに増し、小坂町以外の24市町村で松浦氏の得票を上回った。
 中盤にかけての苦戦の要因は、環太平洋連携協定(TPP)に不満を抱く農業票の離反だ。県農協政治連盟は自主投票を決定。固い支持基盤が揺らいだ。危機感を募らせた党本部は、森山裕農相や小泉進次郎党農林部会長らを送り込み、影響回避に全力を挙げた。
 議席奪還を目指した松浦氏は終盤、組織の足腰の弱さを露呈させ失速した。党幹部は連日県内入りし、てこ入れを試みたが、自民の壁に阻まれた。
 共産、社民両党との共闘は期待された効果を発揮できなかった。野党3党は個別に選対本部を設置。各党が独自に集票する戦略は共闘の相乗効果や波及効果をそいだ。結局、13年参院選で松浦氏と共産候補が獲得した計23万票から6000票の上積みに終わった。
 県南部が地盤で、民進党に今春合流した村岡敏英衆院議員(比例東北)は今回、松浦氏と連携。支持拡大の切り札になるとみられた。しかし、村岡氏の支持層の大半を占める保守層は、共産党を含む野党共闘への抵抗感からか動きは鈍かった。
 県内は全国最速で高齢化が進む。与野党候補による多角的で濃密な政策論争は不発だった。石井氏の訴えは野党共闘批判が大半を占め、経済、農業政策は具体性に欠けた。有権者から「地方の厳しい現状が反映されていない」という不満が出たのも無理はない。
 県内では引き続き「自民1強」が続く。選挙のたびに指摘される民進の組織力の弱さは、今回も反省材料となった。(秋田総局・今愛理香)


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2016年07月12日火曜日


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