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<ピーチ>仙台空港 アジアの複数路線検討

井上慎一(いのうえ・しんいち)早大卒。三菱重工を経て、90年9月全日本空輸入社。アジア戦略室長、LCC共同事業準備室長などを経て、11年2月にピーチの前身となるA&FアビエーションのCEOに就任。同年5月から現職。58歳。神奈川県出身。

 格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションの井上慎一最高経営責任者(CEO)が河北新報社の取材に応じた。2017年夏に仙台空港を拠点化するのに合わせて就航させる国際線について「アジアの複数の空港を対象に検討している」と現状を説明した。仙台空港を玄関口とした東北の観光は「大きな可能性を秘めている」と語り、現在は関西線のみの国内線を増やす方針を明らかにした。(聞き手は報道部・安住健郎)

 −拠点化に伴う路線網の拡充が期待されている。
 「われわれは片道4時間で飛べるところがターゲット。国際線の就航と国内線の路線増を考えている。現在ピーチは台湾(台北、高雄)や韓国(ソウル、釜山)、香港に就航しているが、それ以外も含めて複数の候補を選び検討している」

 −拠点化で1機を夜間駐機させるが、利用者にとってのメリットは。
 「朝一番で仙台を飛び立ち、夜遅くに仙台に帰ってくるダイヤが可能になる。関西では成田線を使ってディズニーランドに日帰りで行く人もいる。仙台空港を使う東北のお客さまに、より便利に使ってもらえる」

 −仙台空港が7月に完全民営化された。着陸料の値下げなどでLCCを呼び込もうとしている。
 「着陸料が下がればわれわれは運賃を下げられる。すると乗客数が増え、飲食や買い物で空港が潤う。鉄道などの交通アクセスを使う人も増える。街に宿泊してお金を使えば地域経済も活性化される。全てがウィンウィン(相互利益)の関係をわれわれは関西でつくった。仙台でも可能だと考え、拠点化を決めた」
 「伊達政宗の陣羽織を見て、400年前にこんなファッショナブルなものをと驚いた。仙台には伊達(だて)男のDNAが残っていると思う。空港民営化は東急電鉄が中心となって進めてきた。アジアの若者があこがれる渋谷(東京)をつくった会社だ。このシナジー(相乗効果)が大きな変化をもたらす」

 −東北は外国人観光客が伸び悩んでいる。
 「ピーチのお客さまは個人旅行が中心。彼らはあるがままの日本を求めて来る。例えば最近は台湾や香港のお客さまが紀の川(和歌山県)沿いの桃の果樹園を見て『これが本当の桃源郷だ』と感動して帰って行った例がある。かつてはみんな東京に向かったが、今は地方に向かう。流れは変わってきた。東北も流れを呼び込めると信じている」


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2016年07月13日水曜日


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