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<再処理工場>審査終了時期 見通し立たず

使用済み核燃料再処理工場=2012年10月、青森県六ケ所村

 日本原燃が使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の「2018年度上期完工」を目指し、原子力規制委員会の新規制基準への適合性審査を来年1月ごろに終える工程表を明示した。ただ、規制委側からは、対策の前提となる事故想定の甘さなど、厳しい指摘が依然として相次ぐ。工程通り審査が進むかどうか見通せない状況が続いている。
 原子力規制庁で6月29日にあった審査会合で、原燃の担当者は審査終了の目標時期を示すとともに「実現に向けて努力する」と力を込めた。完工に必要な工事や検査を18年5月ごろまでに全て終えるスケジュールも公表した。
 原燃は14年1月に審査を申請した。これまで約60回の審査会合を重ね、大きな焦点だった基準地震動(最大想定の揺れ)は2月、規制委に「妥当」と評価された。もう一つの焦点である重大事故対策の審査も本格化し、審査が終盤に入る可能性も浮上していた。
 だが、原燃が工程表を明らかにした審査会合で、規制委側は「原燃の工程通り審査が終わる保証はない」と強調。原子力規制庁の担当者からは重大事故対策について「信頼していない。全部やり直してもらいたい気持ち」との批判も出た。
 審査開始から2年半が経過したにもかかわらず、原燃の説明内容にちぐはぐさが目立ち、規制委は不信感を募らせている。原燃は同日の審査でも、重大事故時に配管などから大量の水が漏れる想定を巡り、既に規制委が了承した「設計基準」と食い違う想定値を提示。ほかの事故想定に関しても、これまでの前提を変更する可能性を示唆した。
 規制委の田中知委員は「検討が不十分。事故対策の技術的能力があることを説明するため、審査にしっかり取り組んでほしい」と苦言を呈した。
 同じ審査会合の開始時には珍事もあった。原燃側のミスで、同社が完工目標のさらなる延期を検討しているかのような社内資料が、規制委に提出した公開用の審査資料とともにホームページに一時掲載された。
 原燃の担当者は「頭の体操を含め、いろいろ検討している一部。18年度上期の完工目標は揺るがない」と釈明している。


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2016年07月13日水曜日


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