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<南相馬避難解除>笑顔再建 わが家でやっと

解除前日に運び込んだ荷物を整理する佐藤さん=12日午後2時30分ごろ、南相馬市小高区

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が福島県南相馬市で解除された12日、同市小高区では仮住まいから戻った住民が生活再建の一歩を踏みだした。
 区中心部に住む佐藤美千代さん(68)が帰還を実感したのは11日、布団に横になったときだった。天井が高い。仮設住宅の圧迫感のある間取りとは大きく異なる。
 「ぐっすり休めました。やっぱり自宅は落ち着きます」。12日は午前5時に起き、草むしりに汗を流した。
 佐藤さんは解除前日、市内の仮設住宅から荷物を運び込んだ。これまで年に数回自宅を訪れてはいたが、寝泊まりしたことはなかった。
 荷ほどきが進まず、まだ炊飯器の所在も分からない。引っ越し初日の食事は弁当で済ませた。「まずは台所から整えなきゃ」。時間をかけ、生活基盤を整えるつもりだ。
 原発事故時は夫と2人暮らし。2年ほど前に長男が帰郷し、今月上旬には札幌にいた長女夫婦が隣家に移住してきた。夏休みには3人の孫も顔を出してくれるだろう。
 「また家族に囲まれて暮らせる日が来るなんて、思ってもみませんでした」
 近隣住民の多くも戻っている。寂しくはない。ドライブや食事。やりたいことは山ほどある。
 「これからの暮らしが楽しみ」。佐藤さんが目を輝かせた。


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2016年07月13日水曜日


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