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自然放射線を触媒に活用 抗菌剤が実用化

抗菌コーティング剤の施工現場。光が届かない暗部でも防かびや消臭の効果を発揮する

 総合ビルメンテナンス業「オプス」(仙台市青葉区)は、自然放射線を触媒に利用した抗菌コーティング剤を実用化させ、普及に力を入れている。食品工場などで使う従来品は光触媒が多く、暗い場所では防かびなどの効果を発揮しづらかった。同社は今後、家電製品や住宅設備へ用途を広げ、医療分野などへの応用も目指す。
 大阪府門真市のメーカー「アドテック」が7年ほど前に開発。オプスは宮城県や仙台市の補助事業を活用し、製麺工場などで実験を重ね、抗菌効果が長時間持続することを確認した。国立研究開発法人産業技術総合研究所も協力した。
 開発当初から暗所でも効果を発揮したが、理由は解明できなかった。試験データに注目した九州産業大(福岡市)などが分析し、自然放射線に反応していることが判明。新しい触媒技術としてオプスの担当者は今年6月、日本臨床環境医学会で発表した。
 工場内や空調設備、浴室といった暗所や室内で使用する需要が見込め、現在は同社が手掛ける食品工場などに使っているほか、厨房(ちゅうぼう)機器販売会社を通じて飲食店の業務用冷蔵庫などでも利用されている。
 今後は、空気清浄機やエアコンのフィルターなどへの触媒技術の活用を目指す。口腔殺菌など医療分野への応用も可能性があるという。
 オプスの安達裕第3事業部長は「食品工場などで活用しながら改良を進める。家電メーカーなど大手企業の製品に、新たな触媒技術として採用されるよう売り込みたい」と話した。

[抗菌コーティング剤]防かび、汚れ防止、消臭などに使う衛生用品。可視光や紫外線などとの触媒反応で活性酸素が発生し、その酸化力で細菌などを分解する。食品施設の天井や壁、飲食店の冷蔵庫内部、各種施設の空調やトイレなどに吹き付けて使う。従来品は光触媒が多く、暗い場所では効果が低かった。


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2016年07月14日木曜日


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