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職員の懲戒処分公表が特異 町の姿勢に疑問

職員の懲戒処分を張り出した町役場掲示板。処分の報道発表はなかった

 宮城県山元町が業務ミスを繰り返した職員を懲戒処分とした問題で、町の処分公表方法が他の自治体に比べ極めて特異であることが改めて浮き彫りになった。一般的には報道機関に発表すべき案件だが、町は役場掲示板とホームページ(HP)にとどめた。町の内規では事例に応じて公表方法さえ変えることも可能で、専門家は「ケース・バイ・ケースでは行政の信頼性が低くなる」と指摘する。(亘理支局・安達孝太郎)
 2013年3月末に情報公開審査会委員の任期が切れたのを2年近く放置していたなどとして、町は6月1日に当時の担当者を減給10分の1(4カ月)の懲戒処分とした。
 処分の過程で職員は、行政区への町有地貸与でも適正な事務手続きを怠っていたことが判明。町が処分の公表を掲示板とHPにとどめ、町民から町の姿勢を疑問視する声が上がった。
 町が2011年1月に策定した「町職員の懲戒処分等の公表基準」は、公表方法を「報道機関への資料の提供その他適宜の方法による」と規定。今回は「その他適宜の方法」を適用した形となる。
 今回の公表方法について町は「社会的影響が少ないことから掲示板とHPだけとした」とのスタンス。斎藤俊夫町長は「隠すつもりはなく、ケース・バイ・ケースで判断している」と説明する。
 公務員の懲戒処分は公表が原則だ。
 県行政管理室は「公表方法は記者発表か記者クラブへの資料提供の2通りしかない。掲示板とHPだけというのは考えられない」と言う。仙台市人事課は「基本的に記者発表しか手段はない」と話す。
 隣の亘理町は公表方法に関して山元町と同じ文言の文書を作っているが、担当者は「まず報道機関に資料提供をする」と語る。HPを見て初めて処分を知ったという山元町議は「これでは公表とは言えない。町民に情報が届かなければ意味がない」と首をかしげる。
 東北大大学院情報科学研究科の河村和徳准教授(政治学)は「情報が一方通行の掲示板やHPは関心がなければ気付かれない。東日本大震災で被災し、町外に避難した町民も多い。報道発表を回避すれば『取材で突っ込まれたくないからではないか』と疑われても仕方ない」とみる。
 ケース・バイ・ケースの公表基準については、河村准教授は「恣意的に運用されかねない。行政は、裁量の範囲を少なくすればするほど信頼度が高まる」と指摘する。


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2016年07月14日木曜日


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