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<陛下退位意向>被災者のもとへ何度も

東日本大震災から一月半後、天皇、皇后両陛下は津波で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町を視察された。避難所では被災者らを見舞い、復旧作業を担う自衛官には激励の言葉を掛けた=2011年4月27日、南三陸町伊里前小

 生前退位の意向を示されていることが13日分かった天皇陛下は、大災害に見舞われた被災者や高齢者、障害者ら立場の弱い人たちに常に寄り添ってこられた。太平洋戦争の激戦地サイパン島や沖縄などに足を運び、国内外の戦争犠牲者の慰霊にも心を砕いてきた。

 2011年3月11日の東日本大震災。陛下は「何か私たちにできることはないか」と側近の侍従に相談した。交通が寸断された被災地にようやく訪問できる状況になると、7週連続で被災者のもとへ。床に膝をつき「お体は大丈夫ですか」「眠れていますか」と声を掛けて回った。阪神大震災や熊本地震など大きな災害が起こるたび、被災者を励ましてきた。
 05年10月に訪れた岡山県にあるハンセン病療養施設「長島愛生園」では、高齢となった入所者の手を握りながら辛苦をねぎらい、半世紀以上続いた強制隔離政策や入所者が受けた差別に思いをはせた。分刻みのスケジュールとなる地方訪問ではいつもハンセン病元患者や高齢者、障害者の施設訪問を組み込んだ。
 1992年には天皇として初めて訪中。戦後50年の95年には、原爆が投下された広島や長崎、住民にも甚大な被害が出た沖縄と国内巡礼の旅をし、戦後60年の節目となった05年に陛下の強い意向によりサイパン島で、昨年にはパラオでも慰霊の旅を果たした。
 日本の象徴としてあくまで平和を願い、太平洋戦争開戦から70年となった11年の誕生日に「日本がたどった歴史を繰り返し学び、平和に思いを致すことは極めて重要なことと思います」と非戦への思いを改めて示した。


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2016年07月14日木曜日


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