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<クマ出没>登山シーズンに急増 警報発令

矢巾町が南昌山登山口に設置したクマへの注意を呼び掛ける看板

 岩手県内でツキノワグマの出没が激増している。今年4〜6月の目撃情報は1345件で、過去5年の同時期平均(633件)と比べ2倍以上。13人が重軽傷を負い、県は初の「出没警報」を発令した。登山シーズンを迎え、各自治体は人身被害を防ごうと警戒を強める。

 八幡平市は、隣接する鹿角市と青森県田子町にまたがる四角岳(1003メートル)で6月下旬に予定していた3県交流清掃登山を中止した。鹿角市でクマに襲われたとみられる男女4人の死亡事故があり、安全面を考慮して見送った。昨年まで12回開催したが、クマの影響による中止は初めて。
 矢巾町は同町煙山の南昌山(848メートル)登山口にクマへの注意を促す看板を設置した。担当者は「山に餌が少なくなる夏場に出没数はさらに増える」と登山客に注意を呼び掛ける。
 目撃情報の急増を受け、岩手県は6月23日、県内全域にクマの出没警報を発表した。2006年に「警戒情報」「注意報」「警報」の3段階の警戒レベルを定めて以来、最高の警報発令は初。各市町村は防災無線や広報紙で情報提供する。
 一関市は15日までに、県内で最も多い223件の出没を記録した。同市のコミュニティーFM局「あすも」と連携し、目撃情報があってから5〜10分以内に警戒情報を放送する。本年度の15日までの放送回数は200回を超え、昨年度の年間放送回数を上回っている。
 クマの生態に詳しい岩手大の青井俊樹名誉教授(野生動物管理学)は「木の実類が減る8月中旬が本来の出没ピーク。畑の作物を狙って人里に下りるケースも増える。これから一層の警戒が必要だ」と指摘している。


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2016年07月16日土曜日


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