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<北前船>「日本遺産」に25市町がタッグ

北前船交易で利用された千石船の2分の1模型。酒田市では繁栄のシンボルとなっている=酒田市の日和山公園

 秋田市や山形県酒田市など北前船交易で栄えた港を持つ全国の自治体が、文化庁の「日本遺産」登録を目指して動きだした。北海道から岡山県までの25市町が6月下旬に推進協議会を設立した。来年4月の認定を目指す。ただ、北前船の寄港地は全国で130カ所に及び、関連する自治体も多いため一体的なPR戦略づくりなど課題も抱える。
 協議会は、藩制期に堺市から瀬戸内海、下関海峡を通り、日本海側を経て北海道に至ったとされる北前船の寄港地などで構成する。参加25市町のうち東北は13市町を占める。
 酒田市が代表自治体を務め、事務局はANA総合研究所(東京)に置く。酒田は「北前船寄港地フォーラム」が2007年に始まった際の開催地となるなど、北前文化を基軸とした交流で中心的な役割を担ってきた。
 協議会ではコメや紅花、ニシンを近畿地方へ運ぶだけでなく、ひな人形や料亭文化など上方文化を寄港地にもたらした北前船交易の歴史的意義付けを明確化。関連する文化財や史跡をストーリー性のある観光資源として構築し、来年1月にも文化庁へ登録申請する。
 一方で、全国に37ある日本遺産で県境をまたぐのは四国4県で構成する「四国遍路」など、ごくわずかしかない。
 11道府県にまたがる北前船協議会は包括的なストーリーを構築した上で、北前船を活用した事業計画を自治体単位で作る必要がある。寄港地としての学術的な裏付け作業も欠かせない。
 そこで協議会は、北海道函館市や秋田市、酒田市、福井県敦賀市、青森県鯵ケ沢町など、北前船の寄港地として認知度の高い10市町を先行的に登録申請し、次年度以降に他の自治体の追加登録を目指す方針。
 今月27日には10市町の首長が東京で初会合を開き、機運を盛り上げる。協議会会長に就いた丸山至酒田市長は「作業は大変だが、観光客誘致などで日本海側にも光が当たるよう、登録を果たしたい」と意気込む。

[日本遺産]文化財を活用した観光振興や地域活性化を目的とした文化庁の認定制度。全国の建造物や伝統行事を共通する特徴でまとめ、文化的価値や歴史的意義をストーリー立てて分かりやすく説明できることが条件。本年度までに東北の4件を含む計37件を認定。文化庁は20年までに100件の登録を目指す。認定されるとガイド育成やPR事業に補助金が出る。


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2016年07月17日日曜日


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