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<参院選東北>野党共闘 相乗効果あり

 自民党候補が1勝5敗の惨敗を喫した参院選の東北6選挙区(改選数各1)で、勝利した野党統一候補は民進、共産、社民、生活4党の支持層以外にも広く浸透したことが、各候補と比例代表の得票分析で明らかになった。共闘が相乗効果を発揮して無党派層や保守層の取り込みに成功。東北の野党圧勝を演出した。
 6選挙区別にみた野党4党の比例得票の合計と、各候補者の得票はグラフの通り。6選挙区の統一候補の得票はいずれも4党の比例票合計を上回る。秋田選挙区以外の当選5候補は、約5万4000〜約14万2000票も積み増した。
 青森は、民進新人が自民現職との激闘を勝ち抜いた。民進青森県連の田名部定男代表は「共産との協力はリスクもあったが、それ以上のものを得られた。自民にインパクトを与えられた」と述べ、共闘が有権者に受け入れられたとみる。
 無所属元議員が自民新人を圧倒した山形。連合山形の岡田新一会長は「各政党が色を出さないことで、安倍政治に疑問を抱く自民支持者の票まで食い込むことができた」と分析した。
 岩手は無所属新人が自民新人を突き放した。連合岩手の豊巻浩也会長は「各党支持層の積み上げ以上に効果があった。各党と候補者が最大公約の政策協定を結んだことで、訴えの方向性がはっきりした」と語る。
 宮城の民進現職は選挙戦終盤、「野党統一候補」のアピールを抑え、個人名の売り込みに全力を挙げた。中堅の仙台市議は「世論調査で『自民支持層の1割を切り崩す』との分析があった。保守票を増やすため軌道修正した」と明かす。
 秋田の民進元議員は保守層へのアプローチが不足し、自民候補に屈した。民進の沼谷純選対本部長は「安全保障関連法の廃止や立憲主義の回復より、社会保障や景気の問題が有権者にとっては重要だった」と戦術のミスを認めた。
 自民は共闘効果を警戒する。山形県連の金沢忠一幹事長は「共産が相手陣営に入ったことで、数的に自公が負けているハンディがあった」と指摘。福島の現職陣営の関係者も「共産の力がボディーブローのように効いた」とうなだれた。
 共闘の分断を狙い自民陣営が展開した反共キャンペーンについて、ベテランの仙台市議は「有権者は宮城の未来を聞きたかったはずだ。応援弁士がエッセンス程度に触れればいいのに、反共一辺倒では逆効果だった」とぼやいた。
 東北で唯一、野党共闘を下した自民秋田県連は「組織力の勝利」と自信を深める。鶴田有司選対局長は「有権者にある共産アレルギーも民進が伸び悩んだ要因だろう」との見方を示した。


2016年07月17日日曜日


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