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「奨学金返せない」仙台でも返済猶予申請増

美容師の女性(手前)から奨学金返済の相談を受ける太田弁護士

 学生時代に借りた奨学金の返済が困難になる人が仙台でも後を絶たない。経済的困窮が原因で、返済期限の猶予を求めるケースも増えている。参院選で各党は奨学金制度の拡充を公約に掲げたが、実現の道筋は見えない。問題に取り組む弁護士やNPOは「悩まずに相談を」と呼び掛ける。
 仙台市青葉区の女性(29)は、専門学校に通った2年間に144万円を日本学生支援機構から借りた。2007年3月に卒業後、美容師となり返済を始めたが、月収は手取り13万円前後。家賃や光熱費、食費などで底を突き、月8000円の返済ができなくなった。
 女性は市消費生活センターを通じ、仙台弁護士会の太田伸二弁護士に相談。今年6月、機構に返済の猶予を求めた。「返せる額と思っていたが、働き始めて、8000円がいかに大きな金額か分かった」。女性は苦渋に満ちた表情で話す。
 同市の派遣社員の30代女性は、高校と大学で奨学金約300万円を借りた。月収は手取り18万円。同居する母親の医療費や介護費の負担があり、月2万円の返済が困難になった。5年前から毎年、機構に返済の猶予を申し出ている。
 月収が増えなければ返済できない。10年の猶予は残り4年となり「猶予期間後も、返済の見通しが立たない」と不安を隠さない。
 機構によると返済猶予申請が認められたケースは15年度、14万8090件。13年度から毎年1万件以上増え続ける。理由は「生活困窮」が9割近くを占める。
 若者の貧困問題などに取り組むNPO法人POSSEの仙台支部は「仙台でも返済猶予の申請者が増えている」と指摘する。太田弁護士は「返済が滞ると全額一括返済を求められる。滞る前に弁護士や専門機関に早めに相談し、対応を考えることが重要」と話す。
 POSSEは21日、無料電話相談「全国奨学金総合相談ホットライン」を開設する。午後4〜10時。連絡先は(0120)987215。


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2016年07月18日月曜日


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