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<この人このまち>ペダル踏み廃線で交流

 廃線になった旧JR岩泉線を観光に生かそうと、自転車を改造した車両で線路を走る「レールバイク」の運行が6月、宮古市山間部の旧岩手和井内駅−旧中里駅(約3キロ)で始まった。矢崎誠一郎さん(80)が代表を務める和井内刈屋地域振興会が運営し、地区の活性化を目指す。
(宮古支局・高木大毅)

◎和井内刈屋地域振興会代表 矢崎誠一郎さん(80)

 −レールバイクを運営しようと考えた理由は。
 「岩泉線は1942年の開業。2014年に廃線が決まったとき、約70年もお世話になった鉄道を野原に返すのは忍びないと思いました。何とか生かせないかと考え、思いついたのがレールバイクでした」

 −振興会のメンバーは。
 「地域の有志10人です。前身は14年9月に発足させた『岩泉線の利活用を考える会』。廃線が決まった当初、市はレールを撤去する方針だったので、存続を訴えました。レールバイク区間の線路が残ることが決まり、昨年3月に名称を変え準備を進めました」
 「自転車2台を横に並べてレールを走行する車両が計4台あります。費用はメンバーで出し合い、地元の鉄工所に造ってもらいました。利益を得ることは考えていません。来た人に楽しんでもらい、私たちも楽しみたいと思っています」

 −約3キロのコースの魅力や見どころは。
 「ゆっくりとペダルをこぎながら往復で約40分、里山の風景を楽しめます。周囲には広葉樹が茂り、眼下には刈屋川と田園風景が広がります。秋になれば、色とりどりの紅葉を満喫できます。今年は11月いっぱいで冬季休業に入り、来年4月に再開します」
 「県内外の人たち、特に都会の人たちに和井内刈屋地区ならではの自然を楽しんでもらいたいですね。絶対に感動してもらえる自信があります」

 −地域住民の反応は。
 「最初は反対もありましたが、今は運行を喜び応援してくれています。『地域の宝』として支えてくれるのではないでしょうか」
 「地区は過疎が進み、住民は約350人。子どもも減っています。宿泊施設はなく、滞在型観光は期待できません。昼間の交流人口だけでも増やせるのではないかと期待しています」

 −レールバイクをどんな存在にしたいですか。
 「内側に閉じこもっていては、地元は衰退するばかり。レールバイクを活用して他の地域と交流を進め、活性化を目指します。子どもたちが、ここに残りたいと思えるきっかけになればうれしいですね」

[やざき・せいいちろう] 35年盛岡市生まれ。林業を営み、98年から15年まで和井内区長を務めた。レールバイクの乗車料は1車両2000円。営業は土日祝日。連絡先は和井内刈谷地域振興会080(5564)2310。


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2016年07月18日月曜日


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