宮城のニュース

<ドローン>除染廃棄物監視 シート破損予測

ドローンで撮影した画像から作成した仮置き場の3Dデータ。雨水がたまる量などを推定し、シートの破損を予測する

 建設資材販売のイッコウ(宮城県富谷町)は、東京電力福島第1原発事故で生じた除染廃棄物の仮置き場で、小型無人機「ドローン」で撮影した画像を解析し、廃棄物を覆う遮水シートの破損などを予測するシステムを開発した。仮置き場は当初計画より設置期間が延長され、シートの劣化が進む。同社は来年度以降、仮置き場の管理業務を国から請け負うゼネコンなどに新技術を売り込み、現場での活用を目指す。
 九州大やドローン開発会社などと共同開発した。上空からの撮影画像や赤外線データを専用ソフトで解析し、仮置き場の3Dデータを作製。上部のくぼみから雨水がたまる量を推定するなどし、破損の危険性が高い部分を見分ける。既に穴が空いている箇所なども検出する。
 汚染土壌や枝葉などの除染廃棄物は、土のう袋に入れて仮置き場に積み上げられている。時間の経過とともに有機物の分解が進むと、体積の縮小で土のう袋が変形、覆っている防水シートにくぼみが生じ、大きな水たまりができやすい。重みで沈み込んだシートは、突起物などに触れて破損しやすくなるとされる。
 現状は作業員が目視で点検しており、新技術の実用化で作業時間とコストの大幅削減が可能になるという。廃棄物は3〜5メートルの高さに積まれており、高所での危険な作業も不要になる。
 環境省によると、福島県内で国と市町村が管理する仮置き場は約1200カ所。中間貯蔵施設の整備の遅れにより、国が当初「おおむね3年」とした設置期間が延び、劣化によるシートの破損も増えている。
 同社は遮水シートの設置を多く手掛けたことから、維持管理の手法を検討。6月には異業種連携を支援する経済産業省の補助事業に採択された。近く福島県大熊町でゼネコンなどと実証試験を行い、環境省に技術提案する。将来的には一般廃棄物の最終処分場などにも応用したい考え。
 同社は「シートを施工した立場から何か協力したかった。廃棄物が安全に管理されることで、少しでも地域住民の安心につながってほしい」と説明する。


2016年07月22日金曜日


先頭に戻る