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<教育留学>成長実感 人とのつながり宝に

合川中で同級生と授業を受ける渋川さん(左)

 石巻市石巻中2年渋川千里さん(13)=同市日和が丘=が、秋田県が本年度北秋田市で始めた「教育留学」初の「留学生」として、1カ月の生活を終えた。授業方法の違いに触れ、友達との出会いを体験した渋川さんは「勉強への積極性や人とのつながりの大切さを学ぶことができた」と成長を実感する。

 教育留学は、全国学力テストで成績上位の秋田の教育を他県の小中学生に体験してもらうのが目的。随時受け入れており、児童生徒側が期間を決められる。渋川さんは5月30日〜7月1日、北秋田市合川学童研修センターで暮らしながら同市合川中に通った。
 合川中は、学び合いやグループ学習を通した生徒による課題解決学習に重点を置いた授業を展開している。小林寿校長(55)は「数学では、解く過程を生徒に考えさせるようにしている」と語る。将来、問題に直面した際の解決力を身に付けさせるのが狙いだ。
 渋川さんは「同級生が積極的に手を挙げて発言し、理由までしっかり言えることに驚いた」と話す。そうした姿に刺激され、留学の間は毎日午前5時に起床し勉強に励んだ。担任の藤嶋秀栄教諭(40)は「合川中の勉強を一生懸命吸収しようとする姿勢は、他の生徒に良い影響を与えたのではないか」とみる。
 学習面以外でも、農家での民泊や登山、カヌーなどを体験した。人々との交流や豊かな自然に触れたことで「秋田が好きになった」と渋川さん。「大好きな友達がいるのでまた遊びに来たい」と話す。
 渋川さんは石巻小2年だった5年前、東日本大震災を経験した。自宅に大きな被害はなかったものの、避難生活を送った。
 震災を経験して気付いたのは、当たり前であることの大切さ。将来は教員になり、勉強できることのありがたみを伝えたいという。「石巻に戻っても、教育留学の経験を生かして悔いなく勉強や卓球の部活に取り組みたい」と目を輝かす。
 渋川さんの受け入れを進めた県教育庁生涯学習課の松橋亨さん(54)は「教育留学は、受け入れ先の学校や地域にとってもプラスになる。今後も継続し、秋田の教育の魅力を発信していきたい」と意気込む。


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2016年07月23日土曜日


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