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<相馬野馬追>原発避難11歳 伝統継承へ初陣

小高の騎馬会行事に臨んだ佐藤さん親子=10日、南相馬市原町区

 相馬地方で23日に開幕する相馬野馬追に、仙台市大野田小5年の佐藤天太郎君(11)が「初陣」を果たす。東京電力福島第1原発事故に伴って南相馬市小高区から移住した後、乗馬技術を習得するなど準備を重ねてきた。故郷の伝統を受け継ぐため、父親と共に勇壮な隊列に加わる。
 天太郎君は原発事故時、幼稚園児だった。小高区に暮らしていた記憶は薄れつつあるが、野馬追の思い出は今も残る。「夕方、祭りを終えて帰ってきた馬に乗せてもらったことを覚えています。かっこいいなって思っていました」
 父の昭人さん(41)は連続20回の出場を誇る古参の一人。昨年暮れ、関係者らが集まる会合で天太郎君から参加の意欲を伝えられた。「親子で体験を共有できるのがうれしい」と顔をほころばせる。
 佐藤さん一家は原発事故で避難を強いられ、2014年に仙台市太白区に新居を構えた。小高区などに出ていた避難指示は今月12日に解除されたとはいえ、当面、帰還する予定はない。
 昭人さんは「今、家族と故郷を結んでくれるのが野馬追。たとえ戻れなくても、小高の一員として文化継承に貢献したい」と話す。
 「馬が大好き」という天太郎君は昨年秋から仙台市の乗馬クラブに通う。今春には宮城の乗馬大会で優勝を果たすなど、昭人さんも舌を巻くほど腕前を上げつつある。
 今年は陣羽織姿で隊列に加わるだけだが、天太郎君には夢がある。ハイライトとなる神旗争奪戦への出場だ。「来年以降も参加して、いつか自分も旗を取ってみたい」と力を込めた。
     
 野馬追は23日に各地で出陣式、24日に南相馬市原町区の雲雀ケ原祭場地で甲冑(かっちゅう)競馬、神旗争奪戦などを実施。25日に同市小高区の相馬小高神社で野馬懸が行われる。


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2016年07月23日土曜日


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