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<復旧費返済>厳しい経営 広がる不安

調理場に立つ小国さん(手前)。復興需要がある宿泊施設でも返済への不安を抱えている

 東日本大震災で被災し、グループ化補助金の自己負担分を融資で工面した企業からは、返済が厳しい現状を訴える声が出ている。

<「税金の軽減を」>
 宮城県南三陸町の高台に移転、再建したワカメ、コンブなど海産物卸販売の「かね久海産」。津波で工場や倉庫など6棟を流され、事務所兼工場を2012年11月に完成させた。
 「約束だもの。返すつもりで頑張っている。でも楽じゃない」。須田利子常務(68)は表情を曇らせる。
 気仙沼市の同業者ら8社で11年、グループ化補助金の第1次交付先に採択された。建設費の4分の1に当たる自己負担約3000万円を、みやぎ産業振興機構から無利子で借りた。返済開始が来年9月に迫る。
 売り上げは震災前の7割。関西からの注文は激減した。今年はワカメもコンブも不漁。原料費は上がったが、価格に転嫁できない。従業員13人。節約しながら何とかここまできた。須田常務は「税金の軽減などがあると助かる」と訴える。
 震災後の業績の回復は、規模が小さい企業ほど厳しさが増す。
 気仙沼市の水産加工生産高は14年、239億円。震災前(09年、422億円)の6割に満たない。
 「特に中小零細の売上高は3、4割しか回復していない。人手不足の上、販路も戻らない」と言うのは気仙沼市の水産加工業団体の幹部。「政府にはさらに2、3年、緊急避難的に返済の再猶予を検討してほしい」と期待する。

<予約は天候次第>
 復興需要を取り込む業界も、先行きに暗雲が漂う。津波に流された岩手県大槌町の民宿「六大工」は13年4月、内陸の住宅地に移転、再建した。新鮮な魚介の料理が売りだ。
 宿泊定員30人。町内ではかさ上げ工事や三陸沿岸道路建設が急ピッチで進み、平日は建設関係者の予約でいっぱいだ。ただ、天候や作業の進み具合によりキャンセルも多く、稼働率は7割程度。土、日曜ににぎわったボランティアも最近は、めっきり減った。
 町内と宮古市の旅館や民宿計7業者で第3次募集(11年10〜11月)で採択された。再建費用は八千数百万円。自己負担2000万円余りは、いわて産業振興センターから無利子で借りた。返済は来年度に始まる。
 女将の小国美子さん(55)は「今のままなら、どうにか払えるが、復興事業が終わったら立ち行かなくなる」と不安げに話した。


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2016年07月24日日曜日


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