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<復興釜石新聞>まち再生の記録続け500号

パソコンで製作した紙面を確かめる川向さん(右)

 岩手県釜石市で東日本大震災後の2011年6月に創刊し、週2回発行している地域紙「復興釜石新聞」が今月初め、500号に達した。まちの復興過程を記録し続け、5年1カ月で一つの節目を迎えた。記者で編集長の川向修一さん(64)は「ただの通過点で特別な感慨はない。これからも日々の出来事、人々の息遣いが分かる『瓦版』の使命を果たす」と力を込める。
 川向さんは釜石市を中心に発行され、震災で廃刊した地域の夕刊紙「岩手東海新聞」の元記者。市から緊急雇用創出事業を活用した新聞発行を打診され、元社員7人を含む11人で釜石新聞社を設立した。
 当初は市の広報も兼ね、水曜と土曜発行の4ページで再出発。市内全戸に約2万部を無料配布した。
 14年11月、独立と有料化に踏み切った。「お金を払って読む人がいるだろうか」(川向さん)との不安をよそに、購読申し込みが殺到した。現在は月額1000円(税込み)で約5000部を発行する。
 紙面の強みは、記者4人が丁寧に拾い集めた地域の話題だ。ボランティアや民間団体の支援の動きを重視する。活動を記録として残すことで喜ばれ、市民とのつながりを生む役割を果たしてきた。
 人手が足りず、テーマを掘り下げた取材は難しいが、川向さんは「読者は高齢者が多く、気楽に読める記事を求める。4ページの分量と併せてニーズに応えている」と語る。
 川向さんはレイアウトや見出しも担当し、妻の実家2階に構えた事務所で夜遅くまで働く。体力的に楽ではなく、復興の歩みを刻もうという気概が支える。
 「釜石の日記を付けるように作り続けた新聞が、必要とされる身近な媒体に育った。積み重ねた仕事の価値は時間がたつほど増すと信じ、やれるところまでやりたい」と覚悟を示す。


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2016年07月25日月曜日


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