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<この人このまち>自然体験観光の魅力に

 福島市飯坂町のNPO法人「いいざかサポーターズクラブ」は、ダム湖を活用したスポーツイベントなどに取り組む。設立から8年目。今年6月に理事長に就いた佐藤耕平さん(41)は「自然体験は地域のセールスポイントになる」と手応えをつかんでいる。(福島総局・柴崎吉敬)

◎NPO法人 いいざかサポーターズクラブ理事長・佐藤耕平さん(41)

 −団体が2009年に設立された経緯は。
 「地元では当時、温泉施設などの建物を和風にして観光地の魅力を高める試みが進んでいました。摺上川ダム湖を含む地域資源を生かして誘客につなげよう。そんな思いで、若手商店主らが設立しました」
 「私はその年、流通関係の仕事を辞めて愛知県からUターンしていました。地元活性化に携わりたいと、発足直後に手伝い始め、ほぼ専従で活動に関わるようになりました」
 −摺上川ダム湖周辺が活動拠点になっています。
 「地元の茂庭地区で主催してきたのはカヤックなどを楽しむアウトドア行事。最近では立ち乗りのパドルボード体験も行っています。湖周辺を走る『茂庭っ湖(こ)マラソン』は今年11月の開催で9回目を迎えます」
 「ダムには距離感を奪われるような圧倒的な存在感があり、湖から見下ろす集落の眺めは絶景。自然を生かした体験や野外活動は飯坂の新たなセールスポイントになると思っています」
 −子どもの外遊びも支援しています。
 「13年から河川敷や公園で子ども向けの『遊び場』を続けています。東京電力福島第1原発事故後に減った外遊びを満喫してほしいと始めました。茂庭地区は空間放射線量が低い地域ですが、親の間には不安もある。周辺の放射線量を面的に調べて結果をホームページで公表。理解を得た上で参加してもらっています」
 −誘客の成果は。
 「温泉街には現在も東日本大震災からの復興に携わる方が宿泊しています。こうした宿泊者が途絶えた後こそ、効果が出るのではないかと考えています」
 「一方、地域では住民同士のつながりが強まったと感じています。近所のお年寄りが子どもに外遊びを教えたり、小学生が大人に話し掛けたりする姿を見るようになりました」
 −今後の抱負は。
 「地域資源を有効に活用し、飯坂を観光地として持続させたい。地域で活躍する若い力を育てたい。そのためには、地元で遊んだ記憶を子どもたちに持たせることが大切。『飯坂が地元』という意識を高めていきたいですね」(月曜日掲載)


[さとう・こうへい] 75年福島市生まれ。福島大卒。09年愛知県からUターン。16年6月いいざかサポーターズクラブ理事長。


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2016年07月25日月曜日


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