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<Bリーグ9月開幕>年俸高騰 補強に限界

今季初の公開練習に励む仙台の片岡(手前右)。「全員が成長するため、日々の練習が大事」と覚悟をにじませる=17日、仙台市のHALEOドーム

◎東北の現状と展望(4)戦力

<「2部レベルだ」>
 5月15日、昨季のbjリーグ3位決定戦終了後、東京・有明コロシアムでの会見。秋田(B1)の長谷川誠ヘッドコーチ(HC)が放った言葉が、旧bj勢に厳しい現実を突き付けた。
 「bjの力はNBLの2部レベル」。企業チームとbjの両方で活躍した日本バスケットボール界の第一人者の言葉には、説得力がある。
 旧bj勢にとって、旧NBL勢との戦力差を埋めるために補強は不可欠だ。しかし、サラリーキャップ(選手年俸総額の上限)が採用されず、選手獲得競争が激しくなり、年俸は高騰。旧NBL勢と比べ資金力では劣るだけに、選手補強には限界がある。
 秋田は日本代表の田口を残留させたのは良かったが、狙っていたある日本人の長身選手獲得はかなわなかった。水野勇気社長は「金銭面の条件の他に、bjのチーム経営に対する不安もあると感じる」と唇をかむ。
 B1仙台は、大物選手に手を出さない現実路線に徹した。多くのB1球団の目が現役代表選手らに向く中、元代表で日本国籍取得選手とはいえ、腰のけがが癒えたばかりの坂本に的を絞る。5月中旬にいち早く接触し、獲得にこぎつけた。それでも間橋健生HC兼ゼネラルマネジャーは「補強で戦力差を縮めたが、まだ開きはある」と認める。
 秋田、仙台が戦う東地区は激戦区。旧NBL勢が4チームと多く、A東京(トヨタ自動車東京)、栃木(リンク栃木)は昨季レギュラーシーズンの1、2位だ。

<岩手は主力流出>
 日本代表選手の数をみると、7月のリオデジャネイロ五輪世界最終予選とウィリアム・ジョーンズカップにB1東地区から送り出されたのは、栃木の6人、A東京の2人、千葉(旧NBL)の2人(うち1人は今季契約を交渉中)、北海道(旧NBL)、秋田の1人。仙台には1人もいない。
 栃木、北海道でプレー経験がある仙台の片岡大晴は「オフシーズンでレベルアップしないと、付いていけない」と、危機感を持って練習に打ち込む。
 B1の選手争奪戦の過熱は、B2にも影響を及ぼす。元々資金力に差がある上、選手のB1志向も重なり旧bjの強豪・岩手からは主力が流出。日本人3人に加え、勝久ジェフリーHCも退団した。山口和彦社長は「チームはばらばらになった」と無念そうに語る。
 青森の下山保則社長はサラリーキャップ不採用の弊害を訴える。「財政的に無理をして年俸を上げるチームもあるが、健全経営を考えると、つられるわけにはいかない。悔しいが一歩ずつ進むしかない」。今季、B1昇格を狙って戦うだけの環境は整っていない。

[メモ]昨季、bjリーグのサラリーキャップは約7000万円(非公表、推定)。一方、NBLは1億5000万円(公表)で、選手年俸は以前から開きがあった。旧NBL勢は日本代表のほか、日本国籍取得選手を抱える球団も多い。旧bj勢は日本人選手の身長の高さやシュート精度で劣ると言われてきた。


2016年07月29日金曜日


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