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<Bリーグ9月開幕>ユースは将来の戦力

仙台の選抜クラストライアウトで技を競う子どもたち。球団は人材発掘と地域への裾野の広がりを期待している=3月25日、仙台市のHALEOドーム

◎東北の現状と展望(5完)

<学校の反発懸念>
 Bリーグは育成環境を充実させるため、各球団に中学、高校生を対象としたユースチーム保有を求めている。プロを志す子どもにとって、プロ下部チームは魅力的だ。地方球団は人材発掘、戦力強化の大きな力になるとして期待する。
 B1仙台は以前から開設していたスクール内にユースの前身として中学生選抜クラスを新設した。3月25日、仙台市のHALEOドームで開かれたトライアウトで、中学生20人がシュートやドリブルの技術をアピールした。
 仙台市三条中3年の佐藤大成君(15)は「プロ選手になるのが目標。こういう(レベルの高い)クラスができるのを待っていた」と目を輝かせる。
 B2福島は既に中学生のユースを保有し、地元の子どもたちの育成に力を入れてきた。森山知広ヘッドコーチ(HC)は「(資金力のない)地方のクラブは、育成で強化していくしかない」と強調する。
 ユース創設にあたって、各球団の懸念は、有力選手がユースに流れかねないと感じる地元強豪校の反発だ。宮田英治代表は「福島のユース生は部活動と掛け持ちしているが、本格的にチーム活動をするとなればもめると思う」と心配する。
 ただ、反対の声ばかりではない。宮城の有望選手の受け皿の一つとなっている東北学院高(仙台市)の帆足直治監督は「抵抗する人もいるだろうが、個人的には最大限協力したい」と理解を示す。「将来の日本代表を強くするためであれば、能力のある子を見極める場がもっとあってもいい」

<関東へ人材流出>
 東北の球団にとってユースは、子どもたちを手元で育成し、そのまま球団で活躍してもらう理想的な組織だが、現状は大学を経てのプロ入りが一般的。優秀な子どもたちが東北に残りたいと思うような強豪大学が、地域には欠かせない。
 東北の大学男子の勢力図は岩手大、富士大、東北学院大、仙台大が4強。この4チームでさえ、関東リーグでは2部以下のレベルといわれ、人材が関東に流出し、そのまま関東の球団に入団することが珍しくない状態が続いている。
 東北学院大男子の佐々木桂二HCは「各地に選手育成を完結できる大学がないといけないが、現状は大変。われわれの責任は重い」と現状打開の険しさを説明する。
 仙台大男子の村田健一監督はチーム強化はもちろん、球団のユース事業などへの支援も大学の使命と捉え、講師などの人材派遣を前向きに検討中だ。「バスケットボールを通した地域活性化のために球団とどういう協力関係をつくっていくか、Bリーグ発足をきっかけに改めて考えたい」と話す。(佐藤夏樹)

[メモ]B1、B2の各球団は、U−18(18歳以下)とU−15(15歳以下)のユースチームの保有を求められている。現在、ユース所属の選手が日本協会傘下のどの団体に属するのかは決まっていない。中学や高校の部活を離れたユース選手の出場できる大会がなくなりかねないと、仙台や福島から不安の声が上がっている。


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2016年07月30日土曜日


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