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<リオ五輪わが子へ>何位でもいい 頑張って

日本学生対校選手権の男子1万メートル競歩を大会新記録で制した高橋。両端は応援に駆け付けた父瑛至(えいし)さんと淑子さん=2014年

◎競歩 高橋英輝選手へ−淑子さん=岩手県花巻市=

 5人きょうだいの末っ子。上の子たちにはないような、肩の力を抜いた子育てができました。自然にのんびり、天真らんまんに。英輝はやんちゃで、いつもにこにこしていました。
 やりたいことは何でもやらせました。小学生の時はサッカーや柔道。英輝の5歳上の姉がダウン症だったこともあり、小さい時から障害のある子たちと触れ合っていました。
 わが家ではボランティア活動が当たり前だったので、英輝自身も東日本大震災発生直後、岩手大1年生になったばかりというのに1人で岩手県大槌町へボランティアに出掛けました。もし陸上をやっていなかったら、今ごろ教員になっていたかもしれませんね。
 1度だけ親子げんかをしたことがあります。高校生の時、いつものように学校の部活帰りに車で迎えに行ったところ、女の子を乗せたことがありました。
 私が運転する後ろで、2人は小声でヒソヒソ話。帰宅後、「お母さんにも聞こえるように話してよ」と伝えたら、「小さい声で話すのが普通だろ。親の前だし」と怒鳴られました。私、大人げなかったですね。
 親子で衝突したのはそれだけ。大学時代は、コミュニケーションを取りたくて、盛岡へ行き、買い物に付き合うこともありました。
 その時、どの試合に出るのか情報を集め、応援計画を練る。私の楽しみは応援がてら全国を飛び回ることです。飛行機が苦手ですが、リオにも行きます。
 息子が五輪に行く。いまだに現実味がないというか、実感が湧きません。本人が満足すれば、何位だっていいです。
 振り返れば、いつでもどんなときでも褒めてきました。親としてそばで見ていると、どんな結果でも頑張ったなと思える。よろよろになってゴールしても、よく最後まで頑張ったな、と言ってあげたい。

●高橋 英輝(たかはし・えいき)92年11月19日生まれ、23歳。176センチ、58キロ。岩手・花巻北高−岩手大出、富士通。花巻市出身。1万メートル競歩の日本記録保持者。
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 間近に迫ったリオデジャネイロ五輪。熱狂の大舞台に日本代表として臨むアスリートを最も近くで見守ってきたのは母だった。卓球女子の福原愛(27)=ANA=、陸上競歩の高橋英輝(23)=富士通=、バレーボール女子の佐藤あり紗(27)=日立=の東北関係3選手の母が、それぞれ贈る言葉を語った。(聞き手は剣持雄治)


2016年08月01日月曜日


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