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<この人このまち>酒田の夜空6日花咲く

[安藤孝二(あんどう・こうじ)]1981年山形県酒田市生まれ。酒田西高卒。長野県の紅屋青木煙火店で修業し、2005年から安藤煙火店取締役。

 山形県酒田市の安藤煙火店取締役で4代目となる安藤孝二さん(35)が、県内唯一の花火製造工場を市内に開設して10周年を迎えた。打ち上げを統括する酒田花火ショーをはじめ、東日本各地の花火大会で活躍する安藤さんに真夏の夜空にかける思いを聞いた。(酒田支局・亀山貴裕)

◎花火師 安藤孝二さん(35)

 −酒田花火ショーが6日に開催されますね。
 「東日本最大級となる2キロの展開幅で、1万2000発の花火を打ち上げます。競技会方式の大曲の花火(大仙市)や赤川花火大会(鶴岡市)と違い、音楽とのシンクロ性を高めたエンターテインメントとして楽しめる内容です」
 「打ち上げの統括という立場ですが、秋田県内の同業者らから学ばせてもらいつつ準備を進めています。この世界ではまだまだ若手です」

 −花火製造を始めたきっかけは。
 「玉を外部から購入する打ち上げ専門の花火師だった父に連れられ、各地の花火大会を巡るうちに一から自分で作りたいと思うようになりました。高校卒業と同時に長野県の著名な花火業者の下へ修業に出て、5年間基礎から教わりました」
 「安藤煙火店は戦前、花火も製造していました。戦火が拡大し、2代目の祖父が出征したことで手を引いたと聞きます。製造再開は安藤家にとって悲願だったとも言えます」

 −どのような花火を作っていますか。
 「直径7センチほどの小さな玉から、2尺玉と呼ばれる直径約60センチの玉まで、イベントの趣旨に合う花火なら何でも手掛けます。自前で製造するようになり、キャラクターを模した花火の注文が増えました。ご当地キャラブームが背景にありそうですね」

 −そもそも花火はどうやって作るのですか。
 「まずは酸化剤と助燃剤、金属を混ぜ合わせて、星と呼ばれる小さな火薬球を作ります。乾燥させた星を和紙に詰めたものが玉で、完成までに3カ月かかる玉もあります」
 「配合次第で、色合いや花火の見え方が異なります。例えば、酸化剤に酸化銅を混ぜると青色に、ストロンチウムを混ぜれば赤色に燃える星ができます。毎年、入荷する原料や気象条件が変化する中で、満足のいく玉をコンスタントに作り続けることがいかに難しいか、製造現場に10年余り立ってかみしめています」

 −花火師としての目標は。
 「星の広がり方が立体的で凜(りん)として映える花火を常に作れることが理想です。奇をてらわずに一つ一つの作業を大事にすることで、観客の気持ちとリンクできる良い花火を生み出したいですね」


関連ページ: 山形 社会

2016年08月01日月曜日


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