福島のニュース

<福島廃炉への道>「石棺」表現 波紋広げる

◎7月1日〜31日

【7月】
3日  敷地南側のダストモニターが放射性物質濃度の上昇を示す「高警報」を発した。機器故障または天然核種を検出した可能性がある。
4日  タンクエリアで作業していた40代男性が体調不良を訴え、病院に搬送され、持病の内因性疾患と熱中症と診断された。
11日  ノッチタンクにたまった雨水を回収していたバキューム車のホースが外れ、約80リットルが道路などに漏れた。
13日  原子力損害賠償・廃炉等支援機構が戦略プランを改訂。「石棺」方式に初めて言及した。
15日  「石棺」を巡り、内堀雅雄福島県知事が高木陽介経済産業副大臣に抗議した。
20日  機構が「石棺」の文言を削除したプランの修正版を公表。
21日  危険物屋外貯蔵所で廃油が漏れた。7メートル四方に広がり、最も深い所で3センチ。ドラム缶に直径2センチの穴が開いていた。
28日  ミュー粒子を使った調査で、2号機の溶融燃料の大部分が圧力容器底部にとどまっている可能性が示された。
30日  協力会社の男性作業員(49)が入退域管理棟の出口で倒れ、搬送先の病院で死亡が確認された。作業とは直接関係がない内因性疾患が原因と診断された。

◎溶融燃料取り出し 技術的に不可能との指摘も

Q 福島第1原発の廃炉に向け、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が公表した戦略プランに記載した「石棺」の表現が問題になった。
A 機構は賠償に必要な資金を確保するため国と東電や東北電力など原子力事業者が折半出資し、2011年9月に発足した。14年8月に技術支援を行う研究開発部門が加わった。
Q 「石棺」方式とは。
A 溶融燃料を原子炉から取り出さず、コンクリートなどで覆って放射性物質が外部に出るのを防ぐ。旧ソ連のチェルノブイリ原発4号機で採用された。
Q 溶融燃料の取り出しを前提に研究を進めている機構がなぜ「石棺」に言及したのか。
A 溶融燃料の取り出しは技術的に不可能と指摘する専門家もいる。機構の山名元・理事長らによると、今年3月にいわき市であった「廃炉国際フォーラム」でも石棺に関する質問が出た。そのため、石棺の問題点を指摘し、採用しない考えを強調するため記載したと説明している。
Q 内堀雅雄福島県知事らが抗議した。
A 修正前は「石棺方式は長期にわたる安全管理が困難」としつつ、段落内に「柔軟に見直しを図る」とも書かれていた。内堀知事らは「石棺の余地を残したと読める」と反発した。
Q 県は事前にプランについて説明を受けていた。
A 原子力安全対策課の担当者らは、公表に際し慎重な対応を求めたものの、石棺の文言削除までは要求はしなかった。


2016年08月03日水曜日


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