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被災地の応援職員不足深刻に 熊本地震も影響

 東日本大震災で被災した宮城県内の沿岸市町で、全国の自治体から派遣される応援職員の数が減少している。国の集中復興期間(2011〜15年度)が終わり、職員の派遣を取りやめる動きが加速。熊本地震の影響で全国からの支援が分散する懸念もあり、来年度の応援職員を確保できるかどうかはさらに不透明だ。
 県のまとめでは、過去3年間の県外からの応援職員数と自治体など協力団体の推移はグラフの通り。16年4月1日現在では264団体から653人の派遣を受けている。人数は前年同期比で28人、14年同期比では32人減少した。
 7月1日現在、沿岸市町では計1507人の必要数に対し、確保できたのは1335人で172人不足している。任期付き職員の採用などでやりくりするが、震災以降の慢性的な人手不足は解消できずにいる。
 県市町村課は「震災5年を一区切りとする動きがある」と危機感を強める。昨秋に応援職員の引き揚げを決めた中国地方の自治体担当者は「ぎりぎりのやりくりで職員を出してきた。地元にも仕事があり、これ以上派遣を続けることは難しい」と明かす。
 熊本地震の発生も、応援職員の減少に拍車を掛ける可能性が高い。東松島市は本年度に熊本県内の自治体から6人の職員派遣を受けたが、地震発生後、3人が派遣元に戻った。
 市総務課は「専門的な知識があり都市計画づくりなどに力を発揮してもらっていた。来年以降、熊本県からの派遣は見込めないと考えている」と話す。
 総務省は熊本地震の被災自治体への職員派遣について、九州地方を中心に全国の自治体に協力を呼び掛けている。県内では本年度、熊本を含む九州、沖縄地区から約60人の派遣を受けたが、「来年度は熊本の支援に回る可能性が高い」(県市町村課)と予測する。
 16、17年度の県全体の復旧・復興事業費は1兆円以上を超える見通しで、県は現状とほぼ同じ1500人規模の人員が必要と見込む。村井嘉浩知事は7月28日に福岡市であった全国知事会で、最低でも18年度までの派遣の継続を訴えた。
 県は被災地の現状を認識してもらうため、全国の自治体関係者を対象にした被災地視察を10月中旬に開催する予定だ。総務部の伊藤哲也次長は「被災地復興にはまだまだマンパワーが必要。県と被災市町が協力し、粘り強く協力を呼び掛けたい」と話している。


2016年08月05日金曜日


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