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<福島のいま>日常消失 静寂の学びや

校舎とシンボルの展望台。下の手すりは流され、時計は3時38分を指したままだ

 児童たちが走り回った日常が今はない。福島県浪江町請戸小は、津波と原発事故の複合災害の現実をまざまざと見せつけている。
 開放的な校内にはかつて、住民たちの声もこだました。小山智恵子校長(57)は2007〜09年にも、教頭として赴任した。「運動会では地元のおばあちゃんが集まって万国旗を準備し、夜は漁師さんが花火を上げてくれた」と懐かしむ。
 耳を澄ます。聞こえるのは波と周辺の復旧工事の音だけ。「ここに来ると現実を思い知らされる」。学びの場も日常の暮らしも、原発事故で全て奪われた。
 宮内淳教頭(55)は別の小学校教頭を兼務する形でいわき市に通う。「市内では、校舎建て替えが始まった学校もある」。請戸小は保存を巡る議論が始まっていない。「ここは本当に5年前のままだ」


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2016年08月05日金曜日


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