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<手腕点検>若年層への転換大胆に

スーパー・コンビニ一体型店舗の出店を発表する記者会見で、関係者と握手する小関町長(右)=7月27日、仙台市青葉区

◎2016宮城の市町村長(4)七ヶ宿町 小関幸一町長

 七ケ宿町は県内最少の約1500人が暮らし、高齢化率は県内最高の46%に達する。超少子高齢社会に直面し小関幸一町長(63)は大胆な策を繰り出す。
 来春、スーパーとコンビニの一体型店舗が町役場近くに開店する。みやぎ生協とファミリーマートと協定を結び、町が約5000万円を投じて店舗を建てる。
 町内の小売店は7軒に限られ、買い物難民が少なくない。「町民生活に直結する。驚かれ、歓迎されると思う」。7月27日の記者会見で小関氏は胸を張った。
 店舗周辺には(1)木質燃料による入浴施設(2)多目的交流施設(3)ガソリンスタンド(4)バスターミナル−を集める。国の地方創生事業も利用し順次整備する方針だ。

<小ささ卑下せず>
 「小さい町だからこそ行政がやらなければならないことがある。小ささを卑下せず有効活用したい」。町存続への強い危機感が言葉の端々ににじむ。
 町職員出身。町有林伐採問題の混乱のさなかに総務課長を4年半務め、2011年に早期退職するまで関連訴訟の対応で矢面に立った。「きつかった。副町長不在が10年以上続いたのは不幸だった」と振り返る。
 旧七ケ宿村長や町議会議長を出した家系。ソフトな物腰に、芯の強さをのぞかせた場面もあった。
 無投票で初当選した14年の町長選。前町長梅津輝雄氏(72)から事実上の後継指名を受けたが、「どなたかの後継者を名乗るつもりはない」と言い切った。

<公約次々と実行>
 就任から2年弱。若年層の定住促進と交流人口の拡大を目指し、多くの選挙公約を既に実行に移した。
 子ども医療費の無料化を18歳まで広げ、保育所の保育料や小中学校の給食費も無料化した。町外からの子育て世帯を対象に20年住めば無償譲渡する町営住宅を今後8棟建築する。空き家の古民家を改修した移住交流拠点「七ケ宿くらし研究所」は今春オープンした。
 本年度の一般会計当初予算約23億円のうち、3億円余が安定財源の七ケ宿ダム交付金。基金総額約24億円に対し町債残高は約18億円と財政規律にも目を配る。
 現時点で失点らしい失点は見当たらないが、高橋茂美議長(59)はあえて「高齢者福祉に重点を置いた従来の町政から転換し、新事業を次々に展開するので町民には戸惑いもある。もう少し説明を尽くす必要がある」と指摘する。
 町内のNPO法人「水守の郷(さと)・七ケ宿」の海藤節生理事長(58)は「毎日違う2人と会えば2年で全町民と話し合える。そんな姿勢で臨めば町民も職員も変わる」と提案。小関氏が持つ危機意識の共有が、協働のまちづくりの鍵とみる。
 小粒でも輝き、持続可能な町政とは。前向きな模索が続く。(白石支局・瀬川元章)


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2016年08月07日日曜日


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