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震災乗り越え「田植踊り」伊勢神宮で初奉納

浪江町民が暮らす仮設住宅で田植踊りを披露する踊り子=2月21日、福島市

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した福島県浪江町請戸地区の伝統芸能「請戸田植踊り」が8日、三重県伊勢市の伊勢神宮に初めて奉納される。震災後の復活から丸5年の節目に迎える大舞台。保存会の佐々木繁子さん(66)は「多くの人に支えられてきた。感謝の気持ちを込めたい」と意気込む。
 請戸田植踊りは300年の歴史を持ち、太鼓と民謡に合わせて色鮮やかな衣装の踊り子が舞う。毎年2月の安波祭で地元の草野神社に奉納されていた。
 津波と原発事故で住民が離散。歴史が途絶えそうになったものの、佐々木さんが踊り子に呼び掛け、2011年8月、いわき市で復活公演が実現した。
 その後は、同市の海岸や福島市内の仮設住宅などで定期的に踊りを披露。出雲大社や明治神宮にも招待され、県内外で40回演じた。
 昨年6月、郡山市であった東北6県の神社協議会で、佐々木さんが講演。控室で居合わせた伊勢神宮の宮司に「子どもたちを勾玉(まがたま)池の舞台で踊らせたい」と提案したところ、機会を与えてくれることになった。
 伊勢神宮には東京など県内外に避難した5〜64歳の踊り手17人に、保存会員や家族を含めた計43人で訪れる。請戸出身の中学1年長沼朱音さん(12)=福島市=は「今までとは違う雰囲気の中での踊りを楽しみたい」と声を弾ませる。
 後継者不足や継承の場の確保など課題は尽きず、現在は県外出身の踊り子も参加する。佐々木さんは「多くの人に福島の現状を知ってもらう機会になる。奉納には復興への祈りも込めたい」と語った。


2016年08月07日日曜日


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