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<この人このまち>測量を駆使精密さ追求

やまもと・あつし 1958年田舎館村生まれ。弘前大卒。特別支援学校の教員を務める傍ら、2003年から田んぼアートに携わる。

◎田舎館村の田んぼアートの下絵を担当 山本篤さん(58)

 今や各地に広がった「田んぼアート」。発祥の地、青森県田舎館村の作品は他の追随を許さない精密さを誇る。2003年から下絵を担当する山本篤さん(58)に、村の一大観光資源となった田んぼアートの秘密と魅力を聞いた。(青森総局・丹野大)

 −今年の出来栄えは。
 「第1会場(田舎館村役場)の真田丸、第2会場(道の駅いなかだて)のシン・ゴジラとも完成度の高い作品になりました。シン・ゴジラは独特のゴツゴツした感じを表現できました」
 −下絵を担当するきっかけは何ですか。
 「特別支援学校で美術を教えていた2003年、村がアートに初挑戦することになり、親戚の村職員に『モナリザを3色で表現できないか』と相談されました。参考に渡した絵が、下絵に採用されました」
 「完成したモナリザは、体に比べて顔が小さくなってしまい『下ぶくれのモナリザ』と呼ばれました。遠くにあるほど、物は小さく見えます。展望所から見るので顔などを大きくする必要がありました」
 −その後の工夫は。
 「一番大切にしているのが展望所からの眺めを考慮した田んぼの枠作りです。第1会場の場合、奥になればなるほど細くなる枠に合わせて絵を描きます。展望所から丸を見せるには、真上から見た図では縦長の長円にしなければなりません。毎年修正を重ねますが、不安は毎回あります」
 −制作はどのように進めるのですか。
 「村からテーマのモデル写真や絵をもらい、パソコンで色数を減らす処理をします。カラー写真などは数十万の色がありますが、今年のシン・ゴジラは7色にしました。テーマの雰囲気を壊さない程度に形も簡単に。例えば07年の富嶽三十六景では、波しぶきを簡略化して表現しました」
 「展望所と真上の2カ所から見た下絵を測量士に渡し、ポイントを打って設計図を作ります。ポイントは1万5000〜1万8000ほどですが、多すぎるので約1万2000まで減らしてもらいます。ポイントに沿って、地元の人たちが手作業で稲を植えます」
 −今後の展開は。
 「田んぼの枠の修正は必要ですが、細かい表現は限界に近いです。今後は独自のテーマで制作する必要があります。去年から石を使った『石のアート』を始めました。田んぼアートの元祖として負けられません」
(月曜日掲載)


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2016年08月08日月曜日


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