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渋柿いぶした「甲子柿」加工品続々

すっきりとした味わいの柿酢サイダー

 岩手県釜石市甲子(かっし)町の特産品「甲子柿」を活用した加工品の開発が相次いでいる。甲子柿は長期保存が難しく、通年販売が課題だった。サイダー、ジェラートなどが登場し、生産者らは「甲子柿の全国発信と生産拡大につながってほしい」と期待を寄せる。
 市の第三セクター釜石振興開発は7月末、甲子柿を原料にした「柿酢サイダー」を発売した。釜石・大槌地域産業育成センターとの共同開発で、甲子柿を発酵させて製造する柿酢を使い、ほのかな甘みと爽やかな酸味を引き出した。
 5月には甲子町の農家レストラン「こすもす」が冷凍甲子柿とジェラートの販売を始めた。冷凍甲子柿は細胞を壊さずに凍らせる技術を活用し、解凍後はとろりとした食感を再現した。目標の通年販売にめどを付けた。
 サイダーは340ミリリットル入り250円、冷凍甲子柿は320円、ジェラートは350円(いずれも税込み)。道の駅「釜石仙人峠」など市内で売られている。
 甲子柿は渋柿を1週間ほどいぶして作る。表面の色は鮮やかな赤に変わり、種のない果肉は渋が抜けて程よい甘みになる。
 最盛期に約80人いた生産者は20人を切り、高齢化が進む。生産者組合や市は昨年4月、甲子柿を生かして地域活性化を図る組織を設立。生産と販路の拡大に加え、柿の木の手入れや収穫を体験するグリーンツーリズムに取り組む。
 組織の会長で、こすもす代表の藤井サヱ子さん(71)は「加工品開発や外部の人の力を借りることで生産者の意欲を高め、甲子柿を守りたい」と語る。


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2016年08月09日火曜日


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