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<みなし仮設>退去時の高額請求が急増

 東日本大震災のみなし仮設住宅から被災者が退去する際、貸主から高額の原状回復費用を請求されるケースが急増していることが、仙台市消費生活センターへの取材で分かった。退去者が増える中、入居の長期化から物件の経年劣化が進んでいることが要因とみられ、センターはトラブル回避のため弁護士など専門家への相談を呼び掛けている。
 センターによると、退去時の高額請求に関する相談が2015年度に14件あった。同様の相談は13年度が4件、14年度は3件で、15年度に入り急増した。
 市内のみなし仮設住宅は12〜14年度、毎年度1300人前後ずつだった入居者の減少幅が、15年4月〜16年4月は2474人と拡大。センターの担当者は「退去者増に加え、入居期間が当初契約の2年から大幅に長引き、劣化が進んだことが高額請求に関する相談が増えた一因だろう」とみている。
 ただ、中には不適切な請求と思われるものもあった。センターへの相談で請求額が最も高かった約60万円のケースでは、震災で大規模半壊と認定されたマンションにみなし仮設として入居したが、退去時に入居者の過失による床や壁の傷の原状回復費用に加え、本来は請求できない震災による損壊の修繕代も請求されたという。
 みなし仮設住宅の賃貸契約は貸主、県、被災者の3者で結び、県が貸主に家賃2カ月分相当額の退去修繕負担金を支払った上で物件を借り上げ、被災者に提供している。県震災援護室によると、入居者の故意や過失で室内を損傷させたことによる修繕負担金の超過分は入居者負担が慣例だが、「入居者と貸主が直接やりとりしているため、詳細を把握していない」という。
 センターは「トラブルが生じた場合は、宅地建物取引業協会や弁護士会などの専門機関に相談してほしい」と呼び掛けている。


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2016年08月10日水曜日


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