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<双葉病院訴訟>東電に2200万円賠償命令

 福島県大熊町の双葉病院の入院患者で福島第1原発事故後に行方不明になり、失踪宣告を受けて死亡が確定した認知症の女性の遺族7人が、東京電力に計4400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は10日、計約2200万円の支払いを命じた。
 女性は原田ユミ子さん=当時(88)=で、原発事故関連でただ一人、失踪宣告を受けた。双葉病院では2011年3月14日夜までに、原発の水素爆発などに伴い院長らが病院から一時避難した。
 水野有子裁判長は「原発事故がなければ、職員らが避難することはなかった。原田さんの外出を防ぐことができ、死亡しなかった」と判断。「停電で電子錠が解錠された」と、原発事故ではなく東日本大震災の地震が行方不明の原因とする東電の主張を退けた。
 判決などによると、原田さんは06年から双葉病院に入院。原発事故で入院患者らは11年3月16日までに避難、救助されたが、原田さんは同月14日に院内で確認されたのを最後に行方が分からなくなり、13年9月に福島家裁相馬支部から失踪宣告を受けた。
 判決後、原告代理人の新開文雄弁護士が記者会見し「因果関係は丁寧に認めてもらったが、遺族が遺体にも対面できない失踪宣告の特殊性を考えると、賠償額が加算されてもよかった」と語った。
 原告の一人で、弟の原田栄さん(84)=相馬市=は判決を聞いて「ありがとう」と涙声で話したという。
 東電は「判決内容を確認し、真摯(しんし)に対応する」との談話を出した。
 双葉病院の患者らを巡っては、避難先などで死亡した計10人の患者らの遺族が東電に慰謝料などを求め、東京地裁などに提訴。これまでに4人の判決が確定、2人が和解した。いずれも東電が支払う内容。


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2016年08月11日木曜日


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