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<仙台市バス>路線再編で減便 高齢者不満

停留所「高原住宅前」に向かう薬師堂駅行きの路線バス。住民からルートに不満が出ている

 昨年12月の仙台市地下鉄東西線の開業に伴い、市交通局が実施した路線バス再編に若林区の高齢者が不満を募らせている。仙台駅に直行していたバスが薬師堂駅に集約されて乗り継ぎに時間がかかるようになった上、交通費も高くなり、「二重苦」に直面している。
 宮城刑務所(若林区)の南東側にある高ツ原(たかっぱら)町内会の加藤武彦会長(79)は「減便した路線バスを1時間に1本でも戻してほしい」と切実な表情で話す。
 東西線開業前、最寄りのバス停「高原(たかはら)住宅前」から平日は計50便が仙台駅に直行したが、再編で44便に減り、全便が薬師堂駅行きに変わった。うち3便は同駅から仙台駅へ向かうが、若林区役所前を2度通る変則ルートのため、以前より20分余計にかかる。
 このため、薬師堂駅から仙台駅までは地下鉄を利用する人が多いが、バスと地下鉄の乗り継ぎ運賃は300円。再編前の高原住宅前−仙台駅前のバス運賃は230円で、実質的に70円値上げされた形だ。
 仙台駅から地下鉄で戻った際のバスへの乗り換えも不便で、接続が悪ければ薬師堂駅で30分待たされる。加藤会長は「駅にはベンチが少なく、周辺に商店もほとんどない」と待ち時間の苦痛を強調する。
 区役所ですら地下鉄やJRの駅から遠い「交通過疎」の若林区の高齢者は、路線バスが昔から頼みの綱。市老人クラブ連合会の関係者は「地下鉄の駅はホームが遠く、乗り継ぎが高齢者には負担だ」と指摘する。
 市交通局のバス事業は、本年度末で約14億円の赤字と約66億円の累積債務を見込む。菅沢勇自動車部長は「赤字が増えれば市民負担が増す」と、不採算のバス路線拡充に否定的な考えを示した上で、「利用者の意見を考慮しながら、利用状況に応じた便数設定に努めたい」と話す。


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2016年08月12日金曜日


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