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<手腕点検>観光復興 道筋どう描く

県が設置した水族館跡地利用検討懇話会に委員として加わった桜井町長=2日、県庁

◎2016宮城の市町村長(5)松島町 桜井公一町長

 「憤慨している」。松島町議会6月定例会の一般質問で、答弁に立った桜井公一町長(66)が顔色を変えた。
 JR仙石線松島海岸駅、東北線松島駅のエレベーター設置に関し、「桜井町長になってから(計画が)だめになったという風聞が流れている」と議員が指摘した。「なぜ、そんな話が出てくるのか。積極的に取り組んでいる」。桜井氏は強い口調で反論した。

<「町の営業マン」>
 特別名勝・松島の玄関口に当たる松島海岸駅のバリアフリー化は3代前の町長時代からの懸案だ。2008年の試算で事業費は14億円。国の補助制度に活路を見いだす考えだが、補助は1日の乗降客数が原則3000人以上の条件が付く。15年度は平均2152人で、条件を満たさない。
 昨年9月の就任後、国や県、事業主体のJRに要望を重ねてきた。一般質問では「乗降客数は絶対的な条件ではないと国から回答を得た」と、足掛かりをつかんだことを主張した。
 町議5期、町議会議長を経て昨年夏の町長選に出馬し、行政経験が豊富で3選を狙った現職を破った。原動力になったのは会社経営の経験に裏打ちされた「民間感覚で動き、町の営業マンになる」との主張と、低迷にあえぐ観光関係者の期待感だった。
 選挙戦で掲げた公約のうち18歳までの医療費無料化は実現させた。同様に重要施策に挙げた松島海岸駅のリニューアルは自らアピールした営業力、交渉力が試される。片山正弘議長(72)は「駅の問題はそもそもハードルが高い。町長のトップセールスの成果は芽が出ている」と受け止める。

<有効な施設期待>
 町には重要な課題がもう一つある。昨年5月に閉館したマリンピア松島水族館の跡地利用だ。県内屈指の観光施設は更地になり、土地を所有する県の資材置き場になっている。現状を嘆く声は多い。
 民間による跡地利用策や公募条件を話し合うため県が設けた検討懇話会には桜井氏もメンバーに名を連ねた。県は懇話会での議論を経て、本年度中に事業者を決める方針だ。
 町も昨年、跡地利用の検討委員会を設置。松島の歴史や海を学べる体験型ミュージアムなどの案をまとめ、桜井氏に答申した。メンバーの一人、元町助役で町社会福祉協議会長の遠山勝雄さん(78)は「町内で意見集約した要望を県にしっかり伝え、松島にとって役立つ施設を実現させてほしい」と注文する。
 町内では、「平成の大修理」を進める瑞巌寺の落慶法要という大イベントが18年6月に控える。それまでに観光復興の道筋をどう描くか。桜井氏は就任1期目で早くも正念場を迎えた。(塩釜支局・山野公寛)


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2016年08月14日日曜日


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