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女川出身演歌歌手 歌の力で被災者元気に

女川町内であったカラオケ教室で参加者を熱心に指導する西さん

 宮城県女川町出身で石巻市在住の演歌歌手西夕子さんが、東日本大震災の被災者らを歌で元気づけている。津波で古里の実家が全壊し、親戚や知人を亡くした。落胆し歌う気力を失いかけたが、被災者の前向きな姿勢に奮起した。「心の支えになれればうれしい」と話す。
 「一つ一つの言葉を大切にしてください」。町内で7月下旬にあった町社会福祉協議会主催のカラオケ教室で、西さんは仮設住宅などに暮らす60〜80代の約30人に手拍子を交えて丁寧に歌い方を教えた。
 西さんは幼い頃から歌手になるのが夢だった。歌や踊りが好きな祖母の影響を受けたという。高校卒業後は石巻を拠点に活動。民謡の全国大会で入賞するなど実績を重ね、2007年にCDデビューした。
 震災から約1カ月後、市内の知り合いから「避難所に来て歌ってほしい」と声を掛けられた。歌い手を辞めようかと悩んでいた西さんは、一度は断った。
 それでも「少しでも希望を持ってほしい」との願いを込め、避難所の体育館で「北国の春」「帰ってこいよ」など約10曲を熱唱。被災者に笑顔が広がる光景を目の当たりにし、歌に宿る力を感じたという。
 岩手、宮城、福島の被災3県を回り、仮設住宅で歌謡ショーを重ねてきた。悲しみを抱えながらも歌を楽しむ被災者の姿に、励まされる思いがした。
 今年7月、復興支援歌「命の絆」のCDをダブルウィンレコード(仙台市)から全国発売した。あの日、あの時のつらい心情や犠牲者への哀悼を込めた作品。西さんは「命の尊さ、大切さをこの歌に乗せて伝えたい。世代を問わず多くの人に聞いてほしい」と話す。
 CDは1204円(税別)。市内のバンダレコードやミュージックショップオバタなどで取り扱っている。連絡先は西さん0225(75)3024。


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2016年08月14日日曜日


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