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<LGBT>仙台圏 対応の動きまだ鈍く

仙台市地下鉄の駅に張られたフェスティバルのチラシ(右)。当事者の働き掛けでLGBTに対する理解が少しずつ広がっている

 同性カップルを「結婚に相当する関係」と認めて証明書を発行する東京都渋谷区の同性パートナー条例を契機に、広く認知されるようになった同性愛者やトランスジェンダーなどの性的少数者(LGBT)。差別や偏見の解消を目指す企業や自治体の取り組みが注目されているが、仙台圏の動きはまだ鈍い。関係者の声から課題と可能性を探った。(報道部・関根梢)

 7月下旬、仙台市青葉区の市市民活動サポートセンターの一室で、LGBTの5人がテーブルを囲んだ。東北のLGBT団体がセンターで今月7日に開いた「東北レインボーSUMMERフェスティバル」の打ち合わせに記者も同席した。
 「性別で区別するような制服、作らなきゃいいのに」。打ち合わせで知り合った通称・里也さん(19)が、バイト先の制服への不満をつぶやいた。体は女性だが、性自認は男でも女でもない「Xジェンダー」という。
 女であることを押しつけるようなピンクの制服に抵抗がある。バイト先の責任者に掛け合って男性用の制服を着ているが、「上司や取引先が変わるたびに、いろいろ突っ込まれるのが面倒くさい」とこぼした。
 仙台市に本拠を構える金融機関や商社など大手数社にLGBTの従業員への配慮や対応を尋ねたところ、「いない」「把握していない」「特別な取り組みはない」との回答が相次いだ。LGBTに対する市民への理解を呼び掛ける立場の県庁と仙台市役所にも聞いたが、職員対応については民間と同様で、官民問わず意識や理解が進んでいるとは言えない状況だ。
 一方で、LGBT団体の活動は東北でも活発になっている。東日本大震災前、東北の団体数は9だったが、現在は50ほどに増えた。行政や企業への働き掛けにも力を注ぐ。
 仙台市のLGBTグループ「Anego」代表の通称・キャシーさん(38)は、市地下鉄の駅構内へのチラシ掲示を市交通局に掛け合った際の体験を教えてくれた。
 「レズビアン」「ゲイ」などの文字を目にした職員は当初「ちょっと引いているように見えた」が、趣旨を説明するとすぐに応じてくれた。キャシーさんは「少しずつだが、理解が広がってきている。積極的にアプローチしていくことが重要」と力を込める。
 一部で変化の兆しはある。KDDI東北総支社(仙台市)は6月、Anegoの会員を講師に、社員ら向けの講演会を開いた。管理部の東島正幸マネジャー(46)は「独自の取り組みは模索中だが、CSR(企業の社会的責任)の一環で当事者団体と連携することも検討したい」と話す。

[メモ] 仙台市は3月に策定した「男女共同参画せんだいプラン2016」に、性的少数者に関する記述を初めて盛り込んだ。宮城県は本年度で計画期間が終了する男女共同参画基本計画の次期計画に、性的少数者に関する事項を盛り込むか検討している。


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2016年08月15日月曜日


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