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<リオ五輪>伊調「真の階級」頂点狙う

リオデジャネイロで調整する伊調(上)=12日

 日本女子58キロ級の伊調馨(ALSOK、八戸市出身)が、五輪史上で初の女子個人種目4連覇の偉業に挑む。
 2002年10月の釜山アジア大会。63キロ級の伊調は決勝で中国選手に敗れ、銀メダルに終わった。
 幼少期から指導した沢内和興さん(69)=青森県レスリング協会会長=は大会前、教え子を重圧から解き放そうと励ました。「(遠征費の負担がなく)ただで行けるんだよ。頑張らなくていいんだよ」
 試合後、「やっぱり優勝しなきゃだめ」と泣きじゃくったと伝え聞き、「大したもの。これはいつか世界で勝てる」と沢内さんは確信した。
 32歳の第一人者にとって、運にも恵まれた競技人生だったのかもしれない。
 2000年春、愛知・中京女大付高のレスリング部新人歓迎会で、入学したばかりの伊調は元気よく自己紹介した。
 「私はオリンピックに出ます」
 失笑を買い、すぐに沢内さんに電話を入れた。
 「オリンピックに女子レスリングはないんですか」
 非五輪競技にもかかわらず、真剣に五輪を目指していた自分にようやく気づいた。沢内さんは「おまえが出る年の頃には、採用されている」となだめた。
 「馨は思い込むところがある。でもそれはいいことだ」。4年後のアテネ大会で正式種目になり、女王になった。そこを皮切りに3連覇した。
 ロンドン大会後、女子は2階級増え、63キロから新階級の58キロへ移った。「今の馨の年齢で63キロはきつい。運がいいんだと思う」。これまで63キロに届かないことが多く、小柄な部類に入っていた伊調本人も「本当の自分の階級」と歓迎する。
 「連勝とか連覇とか、勝ち続けることに執着はない」。本番は17日。次元の違う戦いで、金メダルを目指す。(リオデジャネイロ・剣持雄治)


2016年08月15日月曜日


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