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<この人このまち>主婦感覚で特産品発信

佐藤郁子(さとう・いくこ)1958年秋田市生まれ。78年秋田栄養短大卒。栄養士と食育インストラクターの資格を持つ。専業主婦を経て、秋田ふき粉会代表を務める

 秋田県の伝統食材として知られる「秋田ふき」。佐藤郁子さん(58)は大きな葉の部分が捨てられていることを知り、乾燥させて粉状にし、活用することを考案した。稲庭うどんに練り込むなど、約10種類の商品に使用され、新たな特産品となっている。「秋田ふき粉会」代表として挑戦を続ける佐藤さんに思いを聞いた。(秋田総局・藤井かをり)

◎秋田ふき粉会代表 佐藤郁子さん

 −「秋田ふき」はどんな特徴がありますか。
 「茎の長さが2メートル近くにもなります。かつては東北から北海道にかけて自生していましたが、現在は秋田県内の一部でしか収穫できません。茎以外は、食材としてほとんど活用されてきませんでした」

 −どうして葉に着目したのですか。
 「夫の転勤に付き添って、千葉県市川市や山形市などで暮らしました。それぞれの地域に特徴のあるお土産があるのに、地元秋田には米と日本酒しかないと寂しく思っていました」
 「そんな中、たまたま秋田ふきの収穫に行き、大きな葉の部分が捨てられていることを知りました。もったいない、何かに利用できるはず、と主婦の感覚で率直に思いました」

 −主婦仲間3人と2004年に「秋田ふき粉会」を設立しました。
 「短大で栄養学を学んでいたこともあり、食に対して関心は持っていました。乾燥させて粉にしたらどうだろうと思い立ち、県の食品研究センターに相談したり、葉の乾燥加工を引き受けてくれる会社を探したりして、食品化に向けて動き始めました」
 「14年には(粉にする前の)秋田ふきの葉をお茶にした製品が県の地域特産品改良事業に採択され、『あきたふき茶 翠雨(すいう)』として商品化されました。ほかにもギョーザやもろこしなど、約10種類の商品に秋田ふき粉が活用されています」

 −もともと行動的な性格だったのですか。
 「引っ込み思案でしたが、転勤族の夫に伴ってあちこちで子育てをするうちに積極的になりました。見知らぬ土地では、自分から聞かないと何も分からないですから。一歩踏み出す勇気は子育てで培いました」

 −秋田ふきの葉は食材としての認知度が高まりつつあります。
 「フキ農家や製造業者など、専門家の協力を得られたことによる成果です。私はただの『粉売りおばちゃん』。地域あっての自分、支えてくれる人がいての活動です。そうして得た人とのつながりこそが、私の財産だと思っています」


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2016年08月15日月曜日


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