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<帰還困難区域>除染 復興拠点が優先?

山間部にある帰還困難区域への出入りを制限するゲート=福島県飯舘村

 自民、公明両党の東日本大震災復興加速化本部がまとめた復興に向けた第6次提言の素案を巡り、福島県内の一部自治体から懸念の声が出ている。東京電力福島第1原発事故の帰還困難区域の除染について、それぞれの中心部などに整備される復興拠点周辺が優先されると読めるためで、区域が周辺部に限られる飯舘村などは「後回しにされないか心配」と訴える。
 「復興拠点がないから除染はしない。そんなことがあっては困る」。飯舘村幹部はこうくぎを刺す。
 帰還困難区域を抱えるのは7市町村。うち第1原発が立地する双葉、大熊両町は面積の大部分を占め、富岡町も中心部が区域内にある。浪江町を含む4町は素案提示前の段階で、区域内の駅周辺や地域の中心部を復興拠点とする方針を復興計画などで示している。
 これに対し、飯舘、葛尾両村の区域はともに山間部で、対象人口はそれぞれ村の1割に満たない。南相馬市は1世帯2人だけだ。
 素案は復興拠点を「各市町村の実情に応じて設定・整備する」としたが、人口の少ない山間部に設けるのは非現実的。飯舘村幹部は「各自治体で状況は違う。それぞれに寄り添ってほしい」と語る。
 葛尾村の担当者も「復興拠点の設置にかかわらず公平に除染してほしい」と強調。復興拠点以外は「放射線量の低下状況や復興の進捗(しんちょく)を踏まえて検討する」との表現にとどまったことも懸念材料で、「扱いを明確にしてほしい」と求めた。
 素案は5日、7市町村と福島県に示された。帰還困難区域については、今後5年をめどに避難指示の解除と居住可能化を目指す復興拠点の整備などを明記。自民などは近く、自治体の意見を踏まえ骨子案を示す。


2016年08月16日火曜日


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