宮城のニュース

津波倒壊の鳥居 震災メモリアルで復活

倒壊した鳥居を使って制作した「メモリアル」
新たに建立された諏訪神社の鳥居

 宮城県七ケ浜町菖蒲田浜地区にある諏訪神社の氏子が、東日本大震災の大津波で倒壊した鳥居を活用し、神社敷地内に「神社遺構メモリアル」を造った。新たな鳥居も完成し、関係者は「被災によって散り散りになった住民の心のよりどころにしたい」と期待する。
 メモリアルにしたのは1878(明治11)年と、1932(昭和7)年に建てられた二つの鳥居。震災で高さ12メートルの津波が直撃し、倒壊した。「震災を後世に伝えたい」と、敷地内に保管していた。
 鳥居の上半分、折れた柱をそのまま活用し、コンクリートの土台に立てた。柱の折れた断面が、津波の威力を物語る。昭和7年建立の鳥居の石は石巻市稲井で産出され、遠路、船や馬車でこの地に運んだ−と由来を柱に刻み込んだ。
 新しい鳥居は高さ約5メートル、幅約7メートルで、御影石でできている。7月下旬、総代らが集まって神事を営み、再建を祝った。
 菖蒲田浜地区は震災前は500世帯ほどが暮らしていたが、現在は300世帯に満たない。
 総代の一人、伊丹敏男さん(66)は「町外に移ったり、町内の別の場所に集団移転したりして戻ってこない住民が多い」と語る。震災遺構と新しい鳥居を地域再生の象徴にしたいと期待を込める。
 今月28日には神社の例大祭がある。みこしは再建された鳥居をくぐって、旧住民の集団移転先に向かう。


2016年08月17日水曜日


先頭に戻る