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<リオ五輪>福原一番苦しい4年…涙のち笑顔

卓球女子団体で銅メダルを獲得し笑顔の(左から)福原、石川、伊藤=リオデジャネイロ(共同)

 リオデジャネイロ五輪第12日の16日、卓球女子団体の日本が3位決定戦でシンガポールを3−1で破り、2大会連続の表彰台となる銅メダルを獲得した。チーム最年長でまとめ役を担った福原愛(27)=ANA、仙台市出身=にもはや「泣き虫愛ちゃん」の面影はない。メダルを手に「早く仙台に帰って、(応援してくれた)みんなの喜んだ顔を見たい」とにっこり笑った。
 7月に仙台市であった日本代表の合宿。東日本大震災で大きな被害に遭った小学生と交流を継続し、「メダルを持って帰ってきたい」と明言した。だからだろう、3位決定戦に勝利を収めると、「約束を果たせてほっとした」と語った。
 だが、試合直後は少女時代に逆戻りしたかのようだった。30分はとにかく歓喜で泣きっぱなし。伊藤美誠(15)=スターツ=、石川佳純(23)=全農=と抱き合いながら、「勝って涙が止まらなくなったのは初めて」と顔をくしゃくしゃにさせた。
 「今までで一番苦しい4年、五輪だった」。ロンドン五輪の団体で準優勝し、周囲の「次」を期待する声が自然と重圧となった。「勝っても負けても私が動じたら駄目」。何とかメダル獲得へつなげられ、緊張の糸はほぐれ、我慢しても我慢しても涙を止められなかった。
 4大会連続出場。「メダルが取れた五輪と取れない五輪の差が痛いほど分かる」という。だから敗戦の悔しさをいつも糧にした。
 ロンドン大会出場が決まった2011年、練習拠点の味の素ナショナルトレーニングセンター(東京)の卓球場。08年の北京五輪団体の3位決定戦で韓国に敗れた時の写真を飾った。
 ベンチで見届けた敗戦の瞬間。「韓国の歓喜の声が耳にこびりついて離れない。ベンチからの景色が忘れられなくて」。いつも見ながら練習した。
 15年9月、その同じ場所に今度は中国、韓国、ドイツなど各国強豪選手3人ずつのパネルを掲げた。「『次はこの選手』と対策を考え、気持ちを奮い立たせていた」。団体戦に向けた準備は既に始まっていた。
 今大会、4位に入ったシングルス、そして団体と合わせて9試合に出場。右脚に巻かれたテーピングは激戦で得た勲章といえる。
 メダルは夢見た色とは違った。だが、「ものすごくうれしい。まだ信じられない気持ちでいっぱい。夢じゃなければいい」とすがすがしい。
 4年後には東京五輪が控える。「今は終わったばかり。銅メダルの余韻に浸りたい」(リオデジャネイロ・剣持雄治)


2016年08月18日木曜日


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