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視覚障害者の仕事 独自の発想で創出

語りのプロとして自立を目指し、練習に励む雲走さん(手前)

 視覚障害者を対象とした仙台市太白区の就労継続支援B型事業所「希望の星」が、仕事を独自につくり、利用者の収入確保につなげている。「できること、やりたいことを仕事に」がモットー。従来の下請け型ではなく利用者の関心や特技を生かして仕事を考案しており、就労意欲を引き出す好循環も生まれている。
 希望の星は宮城県内で唯一の視覚障害者事業所。宮城野区のNPO法人「ばざーる太白社会事業センター」が昨年10月に開設した。市内外の20〜60代の男女13人が利用し、職員は11人。
 希望の星では例えば、点字の読み書きができる利用者の技術を生かし「点字メニュー」を製作する。市内のホテルに提案し受注に成功。点字で記した1冊30ページのメニュー4冊を約1カ月かけて作り、7月中旬に約3万円で納めた。
 視覚障害者が飲食店で注文する際、付き添う健常者にメニューを読んでもらう点に着目。障害者が自分で料理を選ぶことができれば食事がより楽しくなると考えた。製作した角田市の利用者の男性(31)は「店でメニューを使う視覚障害者を思い浮かべ、わくわくしながら作った」と語る。
 得意分野を生かした仕事は、パンフラワーやビーズ作品、ジャム、点字名刺の製造販売などのほか、イベントの企画運営もある。
 楽器演奏を交えて童話や民話を披露する「語り」を続ける宮城県大河原町の利用者、雲走(くもそう)範子さん(62)は自ら公演を企画し、プロとして自立を目指す。入場料から運営費を除いた分が雲走さんの収入になる予定だ。
 雲走さんは「『語り』が収入になれば生活に希望が持てる」と言う。希望の星職員の千田裕子さん(62)は「今後も利用者が社会に貢献できる仕事をつくりたい」と意気込む。
 雲走さんの公演は21日午後2時、青葉区中央2丁目「ティーラウンジ ルフラン」で。入場料2000円。連絡先は希望の星022(228)5060。

[就労継続支援B型事業所]障害者総合支援法に基づき、都道府県や政令指定都市、中核市が指定する障害者の就労支援事業所の一つ。一般企業への就労が困難な障害者が主に利用する。利用者と事業所の間に雇用契約はないが、利用者は事業所の生産活動で得られた利益を工賃として受け取る。


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2016年08月19日金曜日


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