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<リオ五輪>水谷自信と誇り エース自覚

中国戦の第2試合で勝利し、喜ぶ水谷選手=リオデジャネイロ

 リオデジャネイロ五輪の卓球男子団体で、水谷隼(ビーコン・ラボ、青森山田高−明大出)、丹羽孝希(明大、青森山田高出)、吉村真晴(名古屋ダイハツ)の3選手が出場した日本が決勝で中国に1−3で屈し、初優勝を果たせなかった。銀メダルを首から提げたエース水谷選手は「本当に中国に勝てるんじゃないかと思った。複雑な気持ち」と唇をかんだ。
 水谷選手が挑んだシングルスの第2試合。フルゲームの末、許〓(きょきん)選手を下し、天に向かってほえた。「メダルよりも価値がある」。緊迫した団体の決勝戦で得た1勝は、日本のエースの意地だった。
 今年6月に東京都であった荻村杯ジャパンオープン。水谷選手は世界王者の馬龍(ばりゅう)選手(中国)に敗れた。「誰とやっても勝てる気がせず、相手が中国選手というプレッシャーに負けた」。日本男子を引っ張る大黒柱の背中が小さく見えた。
 だが、この2カ月で明らかに顔つきが変わっていった。団体準決勝でドイツを破り、初の決勝進出を決めた試合の後、こう語った。
 「相手が水谷隼を恐れている。戸惑っていると感じる。エースとしてのプライド、負ける姿は見せたくない」。徐々に語気は強まった。
 世界ランク6位ながら、主要な国際大会での実績がない。個人で銅メダルを取り「足りないものが埋まった」。重圧から解放され、自信があふれ出てきた。
 「男子も、もっと注目してほしい。10年ぐらい前からずっと思っていた」。今大会、個人で銅1個、団体で銀1個のメダルを獲得し、女子を上回る成績を収めた。男子にも追い風が吹いている。
 今年1月の全日本選手権。10年連続決勝進出を果たし、史上最多タイの8度目の優勝を飾った時の記者会見で「(五輪代表の)丹羽と吉村を僕と一緒にされちゃ困る」と会場を笑わせた。本音とも受け取れる発言にエースの自覚がにじんでいた。(リオデジャネイロ・剣持雄治)

(注)〓は日へんに新のつくり


2016年08月19日金曜日


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