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<リオ五輪>驚異の粘り強さ 勝利信じていた

試合会場で教え子の雄姿を見守る田所さん

◎宮城・聖ウルスラ学院英智高バドミントン部総監督 田所光男さん

 バドミントン女子ダブルスで悲願の金メダルを獲得した高橋礼華(26)、松友美佐紀(24)両選手。2人が宮城・聖ウルスラ学院英智高時代に指導を仰いだ田所光男さん(65)=聖ウルスラ学院英智高バドミントン部総監督=も現地で歓喜の瞬間を見届けた。恩師が2人に寄せる思いを語った。
 最後は本当にすごかった。終盤の逆転劇は国際大会でもよくある。私は最後まで勝てると信じていた。
 決勝はコンビネーションが良かった。相手に打たれても打たれても我慢強くシャトルを拾った。松友にミスが多かったが、高橋が腐らずにカバーしてくれた。最後まで諦めなかったことが、勝利につながった。
 相手は今大会、乗りに乗っていた。準決勝の後、1日空いたのは日本にとって追い風だっただろう。上背があってスマッシュに角度がある相手には、ラリーを長くして、高橋と松友の持っている力、粘り強さを引き出す必要があった。十分にできていた。
 毎年、東京・代々木第二体育館である全日本総合選手権を観戦している。場内を俯瞰(ふかん)できる最上部の席が私の指定席。いつも黙って2人の試合を見ていた。
 今回ばかりは違った。予選からよりコートに近い位置でプレーを見守った。「礼華、ここが大事だよ」「美佐紀、しっかりね」。無意識のうちに張り上げてしまい、声はかれた。五輪の決勝。センターコートに立つ2人を見るだけで感動した。教えがいがあったな、とつくづく感じる。
 思えば、私はきついことを言う指導者だった。試合に負ければ厳しいトレーニングを課す。監督としては嫌われ者だった。ただ、選手が成長するには「監督、何くそ」という反骨心がないと難しい。特に主将だった高橋には随分怒った。弱気にならず、歯を食いしばって頑張ってくれた。
 中高生を指導する立場として、将来のナショナルチームのことまでは見据えていない。中高生が一番、吸収する時期であり、体をつくる時期。バドミントン部なら体力づくり、けがをしない体づくりに重点を置いた。
 シャトル打ちよりも走り込みを重視させた。山に登ってひたすら走る。雨が降って泥だらけになれば精神面はかなり鍛えられた。
 2人は目標を高く持っていた。一生懸命に頑張る姿、前向きな気持ちは高校時代から変わらない。
 2人とも出身は違うが、杜の都仙台で生まれたペア。東日本大震災発生から6年目の夏。被災地の復興は途上にある。2人の金メダル獲得で、被災者に明るい材料を届けられ、少しでも励みになったのなら、うれしく思う。


2016年08月20日土曜日


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