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「達増流」10年目 見据える復興後

いわて復興塾で県土の将来像を語る達増知事=7日、宮古市

 達増拓也岩手県知事(52)は20日、無投票3選から1年を迎えた。昨年8月の知事選で自ら主導した野党共闘の流れは7月の参院選へ続き、選挙では知事側の「連戦連勝」となった。東日本大震災からの復興が最重点の県政運営は9月、10年目に入る。県政界の中心としての地歩を着実に固めているが、野党系の政治スタンスや国との関係、県政運営の求心力を巡っては賛否が交錯する。

<復興へ決意示す>
  「本年度は本格復興完遂年。その先の人口減少対策や地域振興につなぐ重要局面だ。未来志向で取り組む」。宮古市で7日あった県主催の懇談会「いわて復興未来塾」。達増知事は復興に懸ける決意を示した。
 震災に直面したのは1期目終盤。8カ年の復興計画は2017年度以降の2カ年が最終期間となる。「知事就任以来、今が一番やりがいを感じる」と語り、自身の手で復興をやり遂げる意欲を強調する。
 達増氏は昨年8月の知事選で「県民党」を掲げて政党色を封印。師事する小沢一郎生活の党代表(衆院岩手4区)とやや距離を取った。それが受け皿となり、野党共闘が実現。自民党が支援した平野達男参院議員(岩手選挙区)を立候補断念に追い込んだ。
 続く県議選では旧民主、生活などの親達増派が最大会派を確保。今夏の参院選岩手選挙区(改選数1)では元政務秘書で野党統一候補の木戸口英司氏を全面支援し、初当選に導いた。
 この1年、達増流の選挙戦略はさえを見せた。その分、「県民党」は野党色が濃くなった。
 それでも達増氏は「野党的な考え方が岩手では県民全体の主流」と意に介さない。発言の端々に安倍政権との対立軸が浮き上がる。
 「政治家として何を発言しても自由だが、節度が必要だ」。自民党ベテラン県議は達増氏に「助言」する。政府・自民党との関係が悪化すれば県政への影響が懸念されるからだ。
 県幹部の一人は「露骨な政権批判は正直、はらはらする。国の予算がうまく付かないと、知事の姿勢が影響していると勘繰るのは当然だ」と打ち明ける。

<布石を打つはず>
  肝心の県政運営は9月11日、10年目に突入する。
 生活県議は「県民の信任を背景に強い自信を持ち始めた。復興後を見据えた施策など基盤強化への布石を打つはずだ」と推察する。対照的に自民党県連幹部は「県庁組織に施策の成果を求める圧力に欠ける。結果に対する自己評価も甘ちゃんだ」と断じる。
 首長の見方も分かれる。沿岸部の市長は「県に予算要望しても、知事の考えがよく見えない。腹を割って話したい」。内陸部の市長は「トップとして精いっぱいの範囲で現場の声に耳を傾けている」と評価する。
 達増氏は8日の定例記者会見で、この1年を振り返り「国や市町村と連携しながら復興を軌道に乗せ、将来の方向性についても手を打てた。やるべきことをやれた」と自信を示した。


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2016年08月20日土曜日


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