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<手腕点検>補助金活用 したたかに

町内のイベントで町民と笑顔で言葉を交わす滝口町長(右)=7月31日

◎2016宮城の市町村長(6)柴田町 滝口茂町長

 外国人旅行客の誘致に向けた推進組織の設置、仙台大との連携による子どもの体力の向上、子育てと健康づくりをテーマとした保養施設の整備…。
 国が自治体に新たな地域づくりを求める地方創生事業で、柴田町は15件の補助金交付が正式に認められた。県内の町村で最も多い事業数だ。
 町は東日本大震災からの復旧や緊急雇用対策でも国の補助金を効果的に活用した。滝口茂町長(65)に対する「補助金ハンター」との評は町外の自治体関係者にも広がる。
 「国の補助を積極的に使い、最小限の町の持ち出しでまちづくりを進める。非常にしたたかな行政運営だ」。水戸敏見副町長(61)が「滝口流」を解説する。

<公園整備に本腰>
 町長は県地域振興課長を経て、2002年の町長選で初当選した。県庁職員として28年、町長として4期目14年間の地方行政経験で培った知識と人脈が政策判断の源泉だ。
 「キャリアを重ねるにつれ、批判的な声に耳を傾けなくなった」(町議)との指摘が増えつつあるものの、町政への評価は安定している。
 町長は震災後、「花のまち柴田」をキャッチフレーズに掲げた観光振興策を本格始動させた。柱は町中心部にある桜の名所、船岡城址公園の整備だ。
 初夏のアジサイまつり、秋のマンジュシャゲまつり、冬の「光のページェント」を新たに始めた。公園と白石川沿いの桜並木を結ぶ歩道橋や、交流スペース、展望デッキも相次いで設けた。
 花木の植栽は、植物に詳しい町長自らが職員に指示する熱の入りよう。「町長兼公園係長」とやゆする声もあるほどだ。
 長年20万人前後で推移していた公園の来場者数は、12年度に22万人、15年度には30万人に達した。観光地としての公園の存在感は飛躍的に高まった。

<広域連携強化を>
 公園への力の入れ方が目立つ分、一部の町民や町議からは「ほかの分野にももっと目を向けてほしい」との声が上がる。
 特に不満を募らせるのが商業関係者。町内の小売・卸売業者数は04年に386だったのが、14年は246に減った。観光客が増えた経済効果を実感する小売店も少ない。
 町内で燃料やパンの販売を手掛ける町商工会の相沢辰夫監事(75)は、現在の町政をおおむね評価しつつも「船岡城址公園を訪れた観光客に町中を回遊してもらうための対策に力を入れてほしい」と求める。
 町の人口は約3万9500人。仙南2市7町で最も多く、地域の消長の鍵を握る存在でもある。
 町長に今後求められるのは観光振興の成果を町内のさらなる活性化につなげること。そして、地方行政の豊富な経験を生かし、仙南地域の広域連携の強化に向けてリーダーシップを発揮することだ。(大河原支局・柏葉竜)


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2016年08月21日日曜日


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