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<あなたに伝えたい>人のため頑張れる人間に

家族写真を収めたアルバムを見ながら、亡き夫・勇喜さんをしのぶ吏理佳さん

◎大壁吏理佳さん(仙台市宮城野区)から勇喜さんへ

 吏理佳さん 東日本大震災から5年がたち、長女(13)は中1、次女(10)は小5、長男(8)は小3になりました。震災発生から40日後に生まれた三女(5)は、部屋のお片付けができるぐらい成長しました。4人とも、優しく穏やかなところはパパにそっくりですよ。
 責任感の強かったパパ。あの日、カキ養殖作業から戻り、「消防団の任務がある。水門を閉じてくる。行ってくるね」と言ったのが最後になりましたね。本当は「行かないで」と、怒ってでも引き留めたかった。
 今でもパパが死んだなんて、受け入れられません。震災の年のクリスマス。おばあちゃんから電話で、パパの遺体がDNA鑑定で見つかったと聞いた時も、詳しく尋ねる気になれませんでした。「パパ、愛してる」って毎日毎日、心の中で叫んでいます。
 パパとは16年前、結婚相談所を通じて知り合いました。当時、韓国籍だった私は、日本語をほとんど話せなかったけれど、パパは私の希望通り、すぐに結婚してくれました。出会った日の日付を刻んだ結婚指輪は、震災後も一度だって外したことはありません。
 津波で石巻の家は全壊し、仙台のマンションで暮らしています。でも、今も被災前の家と同じように部屋の壁という壁を家族写真でいっぱいにしています。
 子どもたちには、「人生、何が起きるか分からない。どんな人とも仲良くしてね」と教えています。そしてパパのように、人のために頑張れる人間になれるよう、願っています。
◎4人の子パパに似て優しく穏やか

 大壁勇喜さん=当時(49)= 自宅があった石巻市清水田浜の消防団員として水門を閉めに向かった際、津波に遭って亡くなった。同居していた父親=同(79)=も遺体で見つかった。母親(80)と妊娠中の妻吏理佳(りりか)さん(47)、子ども3人は無事だった。


2016年08月21日日曜日


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