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<リオ五輪>ジャポン大合唱 リオっ子温かい

ウエーブで盛り上がる地元ブラジルの卓球ファン=13日

 カーニバルの街は皆、陽気だった。「ボンジーア(おはよう)」「オブリガード(ありがとう)」。簡単なあいさつをするだけで何だか楽しそうだ。言葉が通じなくても、最後には拳をつくって親指を立て「グッド」「オーケー」のサイン。危なっかしいバスの運転手、宿舎の食堂の従業員。みんな友達に見えた。
 南米初開催のリオデジャネイロ五輪が21日、幕を閉じた。日本勢は過去最多41個のメダルを獲得した。インフラ整備の遅れ、治安悪化、感染症問題…。たたけばほこりが出てくるように、いろんな意味で現地はにぎわった。
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 陽気なリオっ子は熱かった。各会場、目を閉じれば全てサッカー場にいる感覚。「オーレー、オレオレオレー」。日本でもなじみのある応援が観客席のあちこちで響き渡り、いつの間にか会場が一体となる。
 見渡せばサッカーブラジル代表の黄色いTシャツを着た「カナリア軍団」たちばかり。カヌー会場にいた女性スタッフは「ブラジルの英雄はネイマールよ」と誇らしげに語った。
 仮設スタンドは揺れに揺れる。「そのまま崩れるんじゃないか」と心配するくらい、みんなが熱狂した。
 日本からブラジルへの移民事業が始まって108年。日系人社会を身近に感じる国民性が手伝ったのか「ジャポン、ジャポン」の大合唱も聞こえた。卓球会場がいい例だ。女子シングルスで過去最高の4位の成績を収めた福原愛選手(ANA、仙台市出身)は「会場全体が応援してくれた。興奮している中、冷静に戦えた」。
 選手だけではない。バレーボール女子の佐藤あり紗選手(東北福祉大出)の母孝子さんは現地で観戦し「初めて会った隣の席の人が一緒になって声を出してくれた。治安の心配はあったが、現地の皆さんは温かい人ばかり」と感激していた。
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 リオ五輪の取材に携わるまで、恥ずかしながら「ファベーラ」(スラム街)の存在を知らなかった。市内に点在し、9万人を抱えるファベーラもあるというから驚きだ。五輪を機に、貧富の差が世界中に知られることになっただろう。
 開催国が抱える問題や世界に発信したいメッセージを読み取ることは重要になってくる。
 4年後の東京は東日本大震災からの復興五輪。先日、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が設けるジャパンハウスを訪れた際、デンマークの放送局の記者に出会った。
 「震災の被災地から来た」と告げると悲しそうな顔を見せる彼。4年後はぜひ、競技だけでなく、復興が進む被災地の姿も見てほしいと思った。(リオデジャネイロ・剣持雄治)


2016年08月24日水曜日


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