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川合流点の遺跡で近世前期の建物跡発見

五間堀川(左)と志賀沢川の合流地点脇で見つかった建物跡など

 宮城県岩沼市下野郷の五間堀川と志賀沢川の合流地点脇にある下野郷館跡(たてあと)遺跡で、16世紀後半から17世紀にかけての建物跡と護岸施設とみられる遺構が見つかったことが24日、分かった。有力者の在郷屋敷と船着き場だった可能性があり、県内では珍しい土木遺構という。
 下野郷館跡遺跡の調査面積は1757平方メートルで、北東部分から面積122.5平方メートル以上の建物跡が発見された。屋敷を取り巻くように溝跡も見つかっており、近世前期の在郷屋敷の景観を復元する上で貴重な資料になる。
 建物跡北側からは、くいと横板、竹を並べた護岸施設と考えられる遺構も発見された。遺跡は川沿いにああり、河川から屋敷地内に水流を引き込み、船着き場としていたとみられる。
 遺跡の約3.5キロ西側にある現在のJR岩沼駅付近には当時、沼に囲まれた領主の館があり、在郷屋敷と館が水上交通で結ばれていた可能性も考えられる。
 遺跡からは、16世紀後半から17世紀初めごろに中国で生産された高級陶磁器「青花(せいか)」も出土した。県内では仙台城など伊達家関連の遺跡でしか見つかっておらず、屋敷所有者が有力者だったことがうかがえる。
 遺跡では鎌倉時代の遺物も出土しており、今後、同時代の建物跡が発見される可能性もある。発掘に当たる岩沼市教委関係者は「名取郡南方では当時の文字資料が極めて少ない。生活の様子を知る手掛かりとなる調査成果だ」と話す。


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2016年08月25日木曜日


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